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脱炭素化促進へ タケ・サイト、ヤマウと連携協定

      

▲写真は挨拶する武田社長、有田社長

 延岡市とタケ・サイト株式会社(武田雅成代表取締役)、株式会社ヤマウ(有田徹也代表取締役社長)は、大気中の二酸化炭素を直接捕集する技術を活用した実証実験を行うことを目的とした連携協定を締結した。1月22日に延岡市役所で締結式を行い、読谷山洋司市長と各社の代表が署名、押印した協定書を取り交わした。

 タケ・サイトは、産業廃棄物を未利用資源と捉え、脱炭素化と循環型社会の実現に向けた事業を展開する静岡発のベンチャー企業。生コン工場で発生する未利用資源を原料としたリサイクル石灰「タケサイト」を世界で唯一製造する。ヤマウは創業以来、半世紀以上にわたり、コンクリート製品の製造・販売及び技術サービスを提供している。

 実証実験は、延岡市が無償で貸与する旧高千穂鉄道のトンネル内で実施。延岡市内の生コン工場からコンクリートスラッジを無償で調達し、これをトンネル内に置いて、CO2を吸着させ、再生炭酸カルシウムに加工する。工業技術センターでCO2を吸着させた試料の熱重量測定示差熱分析を行い、CO2の吸収量を測定する。

 具体的には、取集したコンクリートスラッジを荒く砕いた後、試料箱に入れ、水をかけて乾かすといった工程を3回ほど繰り返すことで、コンクリートスラッジ1㌧に対し、160㎏程度のCO2を吸収することができるという。

 実証実験でCO2の吸着に関する合格判定を確認できれば、ヤマウにおいて再生炭酸カルシウムを使用したセメントコンクリート及びレジンコンクリートの配合を試験し、プレキャスト製品化を検討する。

 22日の締結式で読谷山市長は、「今回の協定を機にスタートした取り組みの成果が上がるよう、様々な面で勉強させていただき、同時に協議も重ねながら、我が国全体、ひいては世界にも貢献できるような取り組みになるよう期待している」と挨拶した。

 タケ・サイトの武田社長は、「地球環境を保護しつつ、経済活動を両立させるということが脱炭素の中で非常に重要。そのような中で、今回の協定は非常に重要性の高いものだと思う」とした上で、「これを全国、さらに世界へと展開することが、この協定の目指すべきことではないか」と述べた。

 ヤマウの有田社長は、「実証実験への取り組み、更に二酸化炭素を吸収した再生炭酸カルシウムを使用した製品づくりは、間違いなく貢献できるものと期待している。延岡市が策定した地球温暖化対策実行計画に少しでも貢献できれば」と述べた。