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入賞者の努力と栄誉を称える 宮崎県溶接技術競技会表彰式

      

▲写真は表彰式の模様、アーク溶接優勝の黒木氏、半自動溶接優勝の松岡氏

 宮崎県と一般社団法人宮崎県溶接協会(碕山裕和理事長)が主催した2024年度第68回「宮崎県溶接技術競技会」の表彰式が、1月21日に宮崎県工業技術センターで行われた。表彰式では、優秀な成績を収めた個人13人に表彰状と記念品を、団体の部で2年ぶりに優勝に返り咲いた延岡地区に優勝旗を贈り、受賞者の努力と栄誉を称えた。

 競技会は、県内溶接技術の更なる発展や技術者の資質及び技能の向上などを目的に、県と協会の主催で毎年開催しているもの。今大会には、昨年7~9月に約200人が参加して行われた各地区予選会を勝ち上がった代表選手に加え、県立産業技術専門校構造物鉄工科の学生2人と女子の部の選手3人が特別枠で参加した。

 表彰式で宮崎県商工観光労働部の柏田学次長は、溶接技術がものづくりの現場に欠かすことができない基盤技術であり、溶接技術者の資質や技術の向上を目的とした競技会が、専門校の学生にとっても貴重な機会になっていると指摘。「皆さんの活躍によって、本県のものづくり産業が一層飛躍することを期待する」と述べた。

 来賓挨拶で宮崎県議会の丸山裕次郎議員は、更なる技術の向上を目指すとともに、培った技術を次の世代に伝承する必要性を強調。来たる九州大会、全国大会でも、本県の代表としてその実力を大いに発揮し、入賞を目指してもらうよう期待を込めた。

 審査講評で協会相談役の鳥越清氏は、外観審査やX線試験、曲げ試験に加え、安全作業なども審査の対象としたこと、全国大会と同じ内容の難易度の高い課題であったこと、入賞者の作品はいずれも甲乙が付けがたく、曲げ試験の得点が結果に大きく影響したことを説明。来たる九州大会及び全国大会での活躍に期待を込めた。

 表彰式では、個人及び団体の部の入賞者に表彰状と記念品が贈られた。アーク溶接の部で優勝した黒木友和氏は、「受賞の喜びを忘れることなく、先輩方の声に耳を傾けながら、自らの溶接技術の向上に努力することはもちろん、後進の指導も積極的に行い、本県の溶接技術の更なる向上に力を尽くしたい」と意気込みを語った。

 今大会の成績優秀者10人(アーク溶接の部5人・半自動溶接の部5人)は、7月に沖縄県で開催予定の九州大会に出場する。また、県大会の各部門の優勝者は、10月に富山県で開かれる全国大会に本県代表として出場する。

 個人の部の入賞者は次のとおり(敬称略)。

*アーク溶接の部
▽優勝=黒木友和(清本鉄工)
▽準優勝=新村諒太(九州オリンピア工業)
▽優秀賞=岩佐航洋(池上鉄工所)、山田訓正(山田工業)
▽優良賞=長野秀樹(山田工業)

*半自動溶接の部
▽優勝=松岡篤武(金丸工業)
▽準優勝=河野和久(山田工業)
▽優秀賞=渡邉邦彦(ブンリ工業)、豊田將伸(前同)
▽優良賞=丸田徹(ブンリ工業)
▽敢闘賞=早ノ瀬慎吾(産業技術専門校)

*女子の部
▽優勝=松田里佳子(MEF HIMUKA)。

■九州溶接マイスターに新村諒太氏

 卓越した溶接士を顕彰する九州溶接マイスターに、九州オリンピア工業株式会社の新村諒太氏が認定された。九州溶接マイスターの認定は、九州内で54人目、県内で9人目となる。昨年11月に表彰式を行い、新村氏に認定証を交付した。

 九州溶接マイスターは、永年にわたって高い溶接技術・技能を蓄積した溶接技能者の栄誉と功績を称えるもの。溶接技術競技会の全国大会や九州・沖縄大会での入賞回数を数値化し、年齢に応じて一定の基準に達した者を選定する。

 新村氏は、「認定を受けて、とても嬉しく思う。協会や会社の方々、日頃から競っている競技者、そして家族の支えがあって受賞できた」と周囲の協力に感謝を述べ、「後進の育成や自身の技術の向上を更に目指して頑張りたい」とコメントした。

 ※碕山裕和理事長の碕は、石へんの﨑