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創意工夫や高度な技術称える 優良工事知事賞表彰式

      

▲写真は知事賞、県土整備部長賞、農政水産部長賞の表彰受賞者

 宮崎県は9月27日、2024年度「宮崎県優良工事表彰」の知事賞表彰式を県庁で行った。表彰式には▽冨高工業株式会社▽株式会社首藤組▽株式会社相生組▽宮前建設株式会社▽三桜電気工業株式会社―の5者の代表と技術者が出席。佐藤弘之副知事が表彰状と記念品を贈り、各者の創意工夫にあふれた施工と優れた技術を称えた。

 宮崎県優良工事表彰は、公共三部(県土整備部・農政水産部・環境森林部)が所管する建設工事で、工事成績が優秀であり、かつ他の模範となる取り組みを行っている工事を表彰するもの。建設業者や従事者の意欲向上を図り、公共工事に対する県民のイメージアップに繋げることなどを目的として10年度に創設した。

 表彰の対象は、前年度に完成した当初設計額1000万円以上の公共三部所管工事。工事成績評定が対象工事全体の平均点以上となっている工事や、施工・施工管理・安全対策・地元調整・環境対策等で取り組んだ創意工夫や努力が顕著な効果を発揮し、地域住民や現場作業員等の喜びや感謝につながった工事などを選んだ。

 表彰式で河野俊嗣知事の挨拶を代読した佐藤副知事は、受賞者をはじめとする建設業の活躍により、本県のインフラ整備が着実に進み、様々なストック効果が発現していることを説明。「地域経済の活性化や安全・安心な暮らしの確保がこれまで以上に進展するよう、今後も皆さんと力を合わせて、インフラ整備に取り組みたい」と述べた。

 延岡市の県体育館サブアリーナ建設に係る電気設備工事で現場代理人を務めた細山田浩之さんは、「受賞の一報に驚いた。現場に携わった全ての関係者による安全第一の作業や積極的なコミュニケーションのおかげ」」と周囲の協力に感謝の意を示した。また、施工中のメインアリーナの電気設備工事でも現場代理人を務めていることから、「引き続き、気を引き締めて作業にあたりたい」と意気込みを語った。

 受賞工事の概要は以下のとおり(▽施工業者=①対象工事②工事概要③講評要旨)。
〔環境森林部〕
▽冨高工業株式会社=①令和4年度自然公園等総合整備事業九州自然歩道(高千穂峡コース)D工区②遊歩道復旧(転石整理工、石積工、排水工、構造物取壊工、廃棄物処理工、防護柵工)③高千穂峡に位置する九州自然歩道の災害復旧工事。安全対策などを行い、トラブルも無く、無事故で春休みの観光シーズン前に工事を完成させた。
〔農政水産部〕
▽株式会社首藤組=①令和4年度畑地帯総合整備事業(担手育成)高才第3地区1工区②整地工、道路工、排水路工③現場施工でICT建設機械による技術者育成に努め、施工性・正確性の高い技術で設計基準を満足するとともに、表土整地の雑物除去の徹底や工期短縮による年内の作付けを可能とするなど、営農面にも配慮した。
〔県土整備部〕
▽株式会社相生組=①令和3年度特緊砂防第901-1号鹿野遊谷川砂防工事その2②吹付枠工③20年9月の台風10号による大雨の影響で崩壊した斜面の法面補強工事。起伏のある長大法面で、不安定土砂など困難な現場であったが、施工方法や安全対策等に十分配慮し、ICT技術提案や創意工夫を行って、無事故で完工させた。
▽宮前建設株式会社=①令和4年度4港湾災第3-1号美々津港防砂堤外災害復旧工事②防砂堤、取付護岸、物揚場③22年9月の台風14号で被災した美々津港の復旧工事。潮位の低い夜間帯の施工による作業時間の確保や、起重機船を活用したコンクリート塊の撤去など、現場条件に合わせた様々な工夫を行い、早期復旧に貢献した。
▽三桜電気工業株式会社=①令和3年度第3053-ア-4号新宮崎県体育館建設電気工事(1期)② 体育館(サブアリーナ) に係る電気工事③合理的で運用しやすい点灯パターンを綿密に検討して照明制御システムを構築したほか、狭隘な設備スペース内の機器の収まりや施工手順について、関連工事施工者間で連携して事前に問題解決を図った。

■部長賞の表彰式も開催

 同日には県庁で、2024年度「宮崎県優良工事表彰」の部長賞の表彰式も行った。環境森林部長賞を受賞した旭建設株式会社、農政水産部長賞を受賞した株式会社高山建設、県土整備部長賞を受賞した▽株式会社徳満建設▽株式会社志多組▽株式会社竹尾組―の3者に対して、各部長から表彰状と記念品が贈られた。

 県土整備部長賞の表彰式では、桑畑正仁部長が受賞企業のそれぞれの取組について触れ、「いずれの工事も様々な技術を駆使した優秀な工事だった」と高く評価。「ますますの技術の向上と、一層の活躍を期待する」と述べ、3者の努力と功績を称えた。

 受賞者を代表して謝辞を述べた徳満建設の徳満裕二代表取締役は、「今回の受賞は、県土整備部や工事施工に携わる多くの方々の御協力のたまもの」としたうえで、「地域の安全・安心のため、災害発生時の迅速な対応や社会資本の整備に貢献することが我々の使命。時代に合わせた新しい技術の研鑽に努めていく」と抱負を語った。