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旧3Kのイメージ払拭、宮崎工高で交流会 宮崎建協

      

▲写真は交流会の模様

 一般社団法人宮崎県建設業協会は9月26日、県立宮崎工業高等学校の建築科1年生を対象に「教えて先輩!」と題した交流会を開催した。会員企業の代表や現場の第一線で活躍する若手技術者ら14人が同校を訪ね、具体的な仕事の内容や勤務形態などを説明したほか、建設業に対するイメージや県内外での就職について意見を交わした。

 交流会は、中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題である建設産業に関して、若年層が抱いているイメージや仕事への考え方を話し合い、これを若手人材の確保・育成・定着に繋げようと開催しているもの。開会挨拶で建築科の中山省三教諭は、会員の来校に感謝の意を示し、「生徒達を楽しい建設の道に導いてもらいたい」と述べた。

 6つの班に分かれて行われたグループディスカッションでは、事前に生徒達に行ったアンケートを踏まえ、建設業で働くために必要なことや働き始めて大変だったこと、入職したきっかけ、仕事のやりがい、県外就職を選択しなかった理由、給与・休暇等の形態、休日のリフレッシュ方法等について、会員が自身の経験を交えながら説明。

 仕事の魅力を尋ねる生徒に質問に対して、ある会員は自身が携わった工事を例に「完成した時の達成感」や「発注者・地域から喜ばれること」を挙げた。また、女性技術者と女子生徒のグループでは、職場での女性の割合を尋ねる生徒の質問に会員が応じるとともに、「女性の視点だからこそ現場で出来ることを見つけていきたい」と話した。

 生徒達はこのほか、人材を採用する際のポイントや建設業に向いている人材、仕事とプライベートの両立などについて会員に尋ね、会員は準備や段取りの大切さ、挨拶・返事といった基本的なコミュニケーションの重要性を説いた。グループディスカッション後には、各班の生徒と会員の代表者が壇上に立ち、交流会の感想を発表した。

 総括した宮崎県建設業協会の河野幸治理事は、災害発生時に建設業が第一線で活躍していることなどを紹介し、「きついこともあるが、誇りの持てる仕事」と強調。また、AI等の技術革新が進む中、自然を相手にする建設業では、技術や経験を有する人の手が必ず必要になるとして、「建設業の格好良さを知ってもらいたい」と呼び掛けた。

 建築科1年生の東郷栞太さんは、「交流会の前までは、建設業に対して『きつい』などのイメージを持っていたが、実際に現場で活躍している技術者の方々の話しを聞いて、純粋に楽しそうだと感じた。将来に向けて必要な資格についても聞けたことで、具体的な目標を持つことができた。学んだことを学校生活に生かしたい」と話した。