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公共施設で保全活動と木工教室 宮崎県建築協会青年部

      

▲写真は活動の模様

 一般社団法人宮崎県建築協会青年部(櫻木博文部会長)は8月3日、宮崎市田野町の田野地区交流センターで2023年度の「公共建築物保全活動」を実施した。県内各地から青年部員46人が参加し、経年劣化が進む施設の補修作業に汗を流したほか、地域の親子が参加する木工教室も同時開催し、ものづくりの楽しさを伝えた。

 地域に根ざす建設業としての社会貢献や部員の更なる団結、奉仕に対する意識の向上を目的として、1997年度から実施しているもの。公共施設に於ける無償での保全・点検活動やものづくりの楽しさを伝える木工教室の取り組みが高く評価され、2012年度には宮崎市から青年部に対して感謝状が贈られている。

 今年度の活動は、女性技術者の会(チーム・ラポール)も参加して、田野地区交流センターで行った。開始式で挨拶に立った櫻木部会長は、青年部員らに対して活動の意義を強調するとともに、安全第一で作業に取り組むよう注意を促した。また、木工教室の参加者に対しては、「夏休みの楽しい思い出になれば」と呼び掛けた。

 保全活動では、センター側から事前に寄せられた要望を踏まえ、経年劣化した室内通路のクロス剥がしや和室研究室の障子紙の張り替え、図書室の本棚作製、玄関前掲示板の張り替え、玄関土間の高圧洗浄に手分けして取り組んだ。このほか、事前に用意していたチェックリストに基づき、建物内外部の劣化診断も行った。

 一方、多目的ホールで行われた親子木工教室には、参加した23人の親子がオリジナルの椅子作成に挑戦。青年部とチーム・ラポールのメンバーが補助をしながら、カット済みの木材を釘と金槌を使って組み立てて、世界に一つだけのオリジナル椅子を完成させた。完成後には、作製した椅子に座って、親子で記念撮影を行った。

 同センターの香河館長は、「無償で施設の修繕等を行っていただき、頭の下がる思い」と部員に感謝の言葉を伝えた。櫻木部会長は、今年度の活動からチーム・ラポールが参加したこともあり、「活動の輪を更に大きくしていきたい」と意気込むとともに、「私達の活動が業界のPRや担い手の確保にも繋がれば」と期待を込めた。