▲写真は訓練の模様
本格的な梅雨や台風シーズンを前に、宮崎県宮崎土木事務所は6月4日、宮崎市の加江田川で2024年度の宮崎地区防災訓練を実施した。訓練には、同事務所の若手職員のほか、建設関係団体の職員ら多数が参加。大雨で堤防漏水が発生し、決壊する恐れがある事態を想定して、釜段工による応急対策等の流れや各自の役割を確認した。
全国的に大規模な自然災害が頻発化する中、本県に於いても大型台風に伴う大雨により、各地で甚大な被害が発生している。こうした状況を踏まえ、宮崎土木事務所では、防災意識の高揚と関係者間の連携強化を図るため、関係団体と共同で、大規模災害に備えた河川応急対応の実地訓練を行っている。訓練は今年で10回目を数える。
当日は、午前中から宮崎土木事務所内で伝達訓練を実施。大型台風による大雨で、加江田川の水位上昇に伴う堤防漏水が発生し、決壊する恐れがあるという事態を想定して、宮崎地区建設業協会と一般社団法人宮崎県測量設計業協会に応急対策業務等を要請した。
これを受けて、現地に到着した宮崎地区建設業協会と同青年部の会員は、重機と人力で土のうを製作し、これを5段に積み上げて、釜段工と月の輪工による応急対策を実施した。同じく、宮崎県測量設計業協会宮崎支部の会員は、目視による堤防の被災状況調査等を実施し、調査結果を宮崎土木事務所の担当者に報告した。
このほか、一般社団法人宮崎県警備業協会は、現場周辺のの交通誘導や作業中の重機周りの監視を実施。宮崎県建設機械器具リース業協会は、土のう作成等に活用できる小型バックホウを、宮崎地区生コンクリート組合は土のうに使用する砂を提供した。
訓練総括で、宮崎地区建設業協会の児玉清和副会長は、「有事の際には、1分1秒を争う中でスピードや正確さ、安全性が求められる。地域の守り手として、今回の訓練を役立てたい」と話した。宮崎県測量設計業協会宮崎支部の村上信也副支部長は、災害に対する日頃からの心構えの重要性を強調し、今後も訓練を重ねていく考えを示した。
宮崎土木事務所の宇治橋正行次長は、「参加した事務所の若手職員にとっても良い勉強になった。訓練を通じて、互いの防災意識の向上と意思の疎通を図り、有事に備えたい」と話した。