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適正運賃や契約適正化の周知を トラック協会ら4団体

      

▲写真は要望活動の模様

 一般社団法人宮崎県トラック協会ら4団体は、昨今の燃料価格の高騰や運送業の2024年問題を踏まえ、国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所(大嶋一範所長)に、建設資材等のトラック運搬に係る契約の適正化に関する要望を行った。5月27日に各団体の代表らが同事務所を訪ね、増尾明彦総括保全対策官に要望書を手渡した。

 要望を行ったのは、宮崎県トラック協会の重機・ダンプ部会(赤池隆典部会長)、宮崎県中央ダンプ運送事業協同組合(井上俊員理事長)、宮崎県県北ダンプ運送事業協同組合(吉﨑哲也理事長)、西臼杵ダンプ運送事業協同組合(佐藤修一理事長)の4団体。

 要望書では、ダンプ及び重機運送事業者が、建設資材の運搬など公共輸送サービスの担い手としてはもとより、災害復旧に資する運搬・撤去業務に従事するなど、県民の安全・安心を支える重要な役割を担っている一方、燃料価格の高騰や働き方改革への対応、慢性的なドライバー不足への対応により、厳しい経営状況にあることを説明。

 人件費と燃料費が経営コストの大きなウェイトを占める中、荷主によるコスト上昇分の価格転嫁に積極的に応じてもらえない状況にあり、時間外労働時間の上限規制も相まって、「結果的に事業収益の悪化や労働時間減少に伴うドライバーの所得減少といった悪循環も予想され、更なる人手不足に拍車をかけることが懸念される」とした。

 担い手不足を解消するためには、若年層や女性ドライバーの活用が重要であり、そのために賃金の安定や一層の労働環境の向上など「働きやすい職場環境を整備していくことが大切」であると強調。

 こうした中で、2020年度に告示された標準的運賃ベースを平均約8%引き上げる標準的運賃が6月に告示予定であることや、ダンプ車に係る運賃割増率(2割)が設定されること、標準貨物自動車運送約款の改定に伴い、契約締結時に書面等で運賃や料金、附帯作業等の契約条件を明確化することが荷主側にも求められていることに言及。

 これを踏まえ、要望書では、公共工事関係に於いて、トラック運送事業者が最終的な適正運賃の収受を確保することや、契約条件の明確化による取引環境の改善・向上等について、関係行政機関や建設業界団体等に再度、周知徹底するとともに、適切に指導してもらうよう求めた。

 非公開で行われた意見交換では、県内の運搬事業者の実態を踏まえ、国としてどういう対応が必要かなどについて、それぞれの立場から意見を交わした。増尾総括保全対策官は、運送事業者の労働環境の改善や担い手の確保を図る上で「とても重要なテーマ」としたうえで、「今後も密に情報交換をしていきたい」と話した。

 出席した赤池部会長や各団体は、「今後も関係行政や関係団体との意見交換を重ね、適正な運賃収受のもと、従業員の待遇改善、労働環境の整備を通じて、人手不足、担い手不足の解消を図っていきたい」とコメントした。