建設ネット企画画像 四角 四角

HaSA活用し安全を再優先 坂下組が安全衛生の集い

      

▲写真は挨拶する坂下社長、集いの模様

 株式会社坂下組(坂下利博代表取締役社長)は6月17日、宮崎市内で2024年度「安全衛生の集い」を開催した。県内外から同社及び協力会社の社員が多数参加。安全表彰を通じて更なる安全意識の高揚を図り、無事故・無災害の達成を誓うとともに、講演やトークセッションを通じて、企業活動に於けるブランディングの必要性を学んだ。

 挨拶で坂下社長は、建設業に於ける労働災害の発生状況を説明するとともに、建設工事を取り巻く環境の変化に伴い、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則が随時改正されていることを踏まえ、「労働災害防止対策が店社・作業所で円滑かつ効果的に講じられるよう、SAKASHITA・COHSMSを確実に実施していきたい」と述べた。

 また、安全衛生管理に必要な事項をアイコン化するなどして分かり易くまとめた「Health&Safety Action」をはじめ、同社が取り組む様々な活動を通じて「安全衛生管理が全てに優先する」ことを再認識し、関係者が一丸となって安全衛生活動を効果的かつ着実に実行してもらうよう、参加者に理解と協力を求めた。

 表彰式では、今年度のナイスサポート賞・安全衛生努力賞・安全衛生優秀賞を受賞した坂下組の社員10人、安全施工や無事故・無災害の完工に尽力した協力業者7社、優良職長賞を受賞した協力業者の社員6人について、それぞれの受賞工事や受賞功績を紹介。各受賞者に対して、坂下社長から表彰状と記念品が贈られた。

 京町温泉地区環境整備工事で安全衛生優秀賞を受賞した森田幸仁氏は、「現場代理人や協力会社のサポートのおかげで、地域の方々に喜んでもらえる施設を提供できた」と感謝の意を示すとともに、施工に際して3次元モデルを活用し、関係者間でイメージの共有を図ったことを説明。「今後も日々精進していきたい」と意気込みを語った。

 同じく大淀川の河道掘削工事に従事した佐藤井年氏は、現場で取り組んだ交通災害・重機災害・第三者災害の防止対策を説明し、若手職員に「表彰されるよう頑張ってもらいたい」と期待を込めた。鹿児島県内のマンション工事に従事した竹本直哉氏は、災害リスクの低減に努めたことを説明し、「再び受賞できるよう頑張りたい」と述べた。

■異なる視点で安全を再考

 安全の集いでは、「Health&Safety Action」(略称=HaSA)のアイコン制作を担当した株式会社KOZAKIKAKU(東京都町田市)の小崎直利代表取締役による基調講演、HaSAを企画した坂下利一郎常務取締役と小崎氏のトークセッションを行い、企業に於けるブランディングについて意見を交わした。

 「より質の高い安全を実現し、建設業を魅力的な産業に発展させていきたい」との思いから、坂下組は安全衛生管理に必要な事項を分かりやすくまとめたHaSAを2022年7月から運用。危険箇所や仮囲いに視覚に訴えるアイコンを貼り出し、作業場で働く全ての従事者に、リスクアセスメントを含む安全衛生活動の実践を訴えている。

 HaSAは、①三大災害②その他の災害③ばく露系④健康系―の4分類について、それぞれ3件ずつ(合計12種類)のアクションに整理。経験の浅い作業員や外国人労働者にも分かり易いようアイコン化するとともに、「落ちそうな所を特定しよう」「重機・クレーンの周辺作業は慎重に」といったやさしい日本語を添えて、注意喚起する。

 基調講演で小崎氏は、「クリエイティブの力でまだ知られていない価値を輝かせ、日本の将来に貢献する」をコンセプトに掲げ、中小企業や地域活性のブランディングなどを手掛けていることを説明。確実に現場で機能させることを念頭に、HaSAのアイコンを制作したプロセスや工夫、そこに込めた思いなどを紹介した。

 トークセッションでは、坂下常務が「少しでも現場が安全な状態になるように」との思いからHaSAを企画したことを説明。運用から約2年が経過し、現場でよく見る風景として浸透したこの先の展開についてアドバイスを求め、小崎氏は「安全のために大人もこういう取組をしている」と、子ども達に情報発信するのも一つの手と応じた。

 坂下孝二取締役副社長は、「建設業の安全大会では、危険を未然に防ぐ、危険の芽を摘み取ることが話題の中心になるが、今回の講演は視点を変えて安全を考えるきっかけになる」として、「現場に持ち帰り、安全について考えてもらいたい」と呼び掛けた。

 表彰受賞者は次のとおり(敬称略)。
▽ナイスサポート賞=田上絢人(宮崎本社建築部)
▽安全衛生努力賞=下御領和也(小林本店土木部)、岩﨑真幸(小林本店建築部)、町田健(宮崎本社土木部)、妹尾裕至(前同)、立川仁志(宮崎本社建築部)、片平雅也(前同)
▽安全衛生優秀賞=森田幸仁(小林本店土木部)、佐藤井年(宮崎本社土木部)、竹本直哉(宮崎本社建築部)
▽協力業者表彰=コーソク、農業キング、内山緑地建設、エス・キュー・システム、竹添工務店、鹿工設備、クロキセラミック工業
▽優良職長賞=谷口玄洋(坂下興業)、古澤秀夫(谷口重機建設)、吉井孝彦(生目設備)、児玉学(幸明工業)、福永研治(渕脇)、重田尊(ニシケン)。