延岡市は、南小学校及び土々呂中学校の長寿命化に向けて、2024~25年度に既設校舎を大規模改修で整備する。24年度当初予算に事業費の一部として、南小に3億4049万円、土々呂中学校に3億4691万円をそれぞれ計上。第1~2四半期に順次、両校の建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事をそれぞれ発注する。
対象施設は、南小学校が1970年建設の普通教室棟(RC造3階建延べ1260㎡)と71年建設の管理・特別教室棟(RC造3階建延べ1759㎡)の2棟、土々呂中学校が69年建設の普通教室棟(RC造3階建延べ2529㎡)。
整備方針によると、児童生徒の安全・安心を確保するため、また、避難場所としての機能強化を図るため、建物内部に設置された吊下げ型照明器具等の落下防止対策、書棚及びロッカー等の転倒防止対策を実施。建物外周部では、地震や台風、竜巻等の災害時に落下の恐れがある窓ガラスの性能向上及び落下防止対策を実施する。
建築物の柱や梁等の躯体は、コンクリートの亀裂補修を実施。屋根及び外壁等に関しては、外装材の補修や更新、屋根防水改修及び外壁の塗装改修を行うとともに、省エネルギー対策として、内断熱工事や断熱二重サッシへの改修を行う。また、内装仕上げ材や家具等の改修、非構造部材の耐震対策、多目的トイレへの改修も行う。
設備機器に関しては、老朽化に対する補修や交換に加え、空調機の設置や電気容量の増設、オンライン授業が可能となるようなICT機器の環境整備等を実施・検討する。設備機器は、メンテナンス性に配慮した配置を計画し、更にはLED照明を導入することで、脱炭素社会の実現に寄与し、省エネルギーの推進を図る。
車いす利用者等が移動しやすいよう、段差の解消やスロープの設置、エレベーターの設置(土々呂中)、車いす利用者等に配慮した利便性の高いトイレのほか、手摺・点字ブロックを設置する。建設から多年が経過し、建築基準法の避難規定等の既存不適格部分があるため、防火戸・防火シャッター・防火区画等の法令適合を行う。
市の発注見通しによると、南小学校長寿命化改良事業は▽建築主体工事▽電気設備工事▽機械設備工事―の3件、土々呂中学校長寿命化改良事業は▽建築主体工事▽電気設備工事▽機械設備工事▽空調設備工事―の4件に分離して、いずれも条件付一般競争(土々呂中の空調整備工事のみ簡易型条件付一般競争)で発注する。
発注予定時期は、各校の電気設備工事を第1四半期に先行発注し、その他の工事はいずれも第2四半期に発注する方針。工期は、電気設備がそれぞれ510日間、建築主体と機械設備がそれぞれ390日間、空調設備が300日間を予定する。このほか、両校のグラウンド整備に係る設計業務も第2四半期にそれぞれ発注する予定。
長寿命化改良事業に係る実施設計は、南小学校を河野設計、土々呂中学校を松田信幸建築研究所がそれぞれ担当した。事業スケジュールによると、24年9月に仮設校舎を設置し、24年9月~25年9月下旬に改修工事、25年11月~26年2月下旬にグラウンド整備を行う予定でいる。