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旧下鹿川小学校改修、基本設計まとめ 延岡市

▲改修後の外観イメージ

 延岡市は、北方地域ユネスコエコパーク準拠点施設整備に係る基本設計をまとめ、概要をホームページで公開した。旧下鹿川小学校を、登山やロッククライミング、ハイキング、キャンプといったアウトドアスポーツ等の体験拠点としての機能を併せ持つ宿泊滞在型施設に改修する。市内居住者等を対象に、5月29日まで意見を募集する。

 市が2021年に策定した基本構想では、大崩山のふもとに位置し、身近にエコパークを体感できる鹿川キャンプ場周辺を「拠点施設」、ロッククライミングの聖地として愛好家の利用も多い比叡山周辺の下鹿川地区を「準拠点施設」、幹線道路に位置する道の駅北方よっちみろ屋を「情報発信・啓発拠点施設」と位置付けている。

 このうち、準拠点施設と位置付ける旧下鹿川小学校(北方町下鹿川申214番地1)には、RC造3階建延べ763㎡の旧校舎棟(1986年建設)、木造平屋建延べ543㎡の旧体育館(1993年建設)、S造平屋建延べ325㎡の旧屋根付運動場(2007年建設)のほか、旧校長住宅や旧職員住宅(いずれも木造平屋建)が残存している。

 基本設計によると、旧校舎棟と旧職員住宅を宿泊施設にそれぞれ改修。旧校舎棟には、1階に宿泊室2室(定員11人)、宿直室、売店、厨房、カフェスペース、デッキスペース等を配置し、2階に宿泊室3室(定員24人)とリネン室、3階に宿泊室1室(定員8人)と活動室を設ける。旧教員住宅は、宿泊室2室(定員16人)に改修する。

 一方で、旧校長住宅は取り壊し、跡地に温浴施設を新設。体育館に関しては、当初の整備計画でボルダリング設備や更衣室・シャワー室を整備することとしていたが、基本設計ではシャワー室等の設置を取り止め、ボルダリング設備のみを整備するとした。

 基本設計段階に於ける概算改修費は、約4億1400万円と試算。既存施設の外部改修費や防火設備の改修費の増加、温浴設置箇所の変更に伴う解体費の増加、受水槽及び浄化槽の設置、キュービクルの設置に加え、昨今の建設資材等の価格上昇に伴い、整備計画段階(約1億5500万円)と比較して約2億6千万円増えた。

 市の24年度当初予算には、「北方地域ユネスコエコパーク拠点施設整備・誘客促進事業」として2699万円を計上。このうち、旧下鹿川小学校施設改修実施設計には1712万円を充てる。発注見通しでは、第1四半期に指名競争で「北方地域ユネスコエコパーク準拠点施設(旧下鹿川小学校)実施設計業務委託」を発注するとしている。

基本設計の概要