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日塗装宮崎県支部が60周年 責任と誇りで更なる歴史を

      

▲写真は挨拶する堂地支部長、式典の模様

 一般社団法人日本塗装工業会宮崎県支部(堂地隆一支部長)は5月8日、支部設立60周年を祝う記念式典と祝賀会を宮崎市内で開催した。日塗装の加藤憲利会長や九州ブロックの各県支部長のほか、宮崎県の河野俊嗣知事ら多数の来賓、宮崎県支部や行政・関係機関から100人超が出席。60周年の節目を盛大に祝うとともに、宮崎県支部の更なる飛躍と発展に向けて意を新たにした。

 式典で挨拶に立った堂地支部長は、60年の歴史を築けたのは、先代及び諸先輩が情熱と仕事への誇りを持ち、和を以て次の世代に繋げてきた努力のたまものであると同時に、式典の出席者の指導と協力のおかげであると感謝の意を示したうえで、60周年記念事業として、塗装技能を活かした奉仕活動を計画していることを報告した。

 一方で、塗装技能者の高齢化や若年層の技能者不足が大きな課題であり、課題解決のための一つのきっかけとして、高校生に塗装業界の仕事を紹介し、塗装職人と一緒に学校施設を塗装する活動を実践していることを説明。次の70年に向けて、会員が一丸となり、「業界に責任と誇りを持ち、更なる歴史を創っていきたい」と意気込みを述べた。

 日塗装の加藤会長は、「希望あふれる塗装工事業」を目指して、女性の活躍支援や若手後継者の育成指導、外国人材の特定技能への移行支援などに取り組んでいることを紹介。ジェンダーや国籍を超えて、担い手の確保や後継者育成に注力するとともに、それを支える処遇改善についても、関係機関に対して訴えていく考えを示した。

 さらに、本県が日本有数の農林水産県であると同時に、最先端技術であるリチウムイオン電池の研究・開発で世界をリードするなど、日本のひなたとして大きなポテンシャルを秘めているとしたうえで、宮崎県支部が「日塗装のひなた」となり、塗装業界を明るく照らしてもらうよう期待を込めた。

 表彰式では、宮崎県支部の役員として業界や市場の健全な発展に寄与したとして、国土交通省不動産・建設経済局長表彰を受賞した園田龍男氏(森塗装)、日塗装会長表彰を受賞した▽牧浩士氏(旭工舎)▽朽木充嗣氏(くちき)▽稲田健氏(花菱塗装技研工業)▽平野均氏(柴塗装)▽嶋末武氏(嶋末塗装店)▽今村章一郎氏(イマムラテクノ)▽入田修一氏(ニュータ)▽吉川慎一郎氏(吉川塗装)―の8人を表彰。

 受賞者を代表して謝辞を述べた園田氏は、「今回の受賞を大きな励みに、これからも業界の一翼を担っていけるよう、努力していくことを誓う」と述べた。

 来賓祝辞では、国土交通省不動産・建設経済局建設市場整備課の三木浩平氏が、宮沢正知課長の挨拶を代読。塗装工事業が建築物の美観を確保し、建設資材の劣化を防ぐなど、極めて重要な役割を果たしていると指摘するとともに、明日の明るい塗装業のため、引き続き、積極的な活動を展開してもらうよう呼び掛けた。

 宮崎県の河野知事は、国道218号の橋梁塗替作業の現場を通行した際に、「映える」塗装の力を間近で体感したエピソードを紹介。喫緊の課題である担い手の確保・育成に言及し、「長年培った塗装の技術を継承していかなければならない」と述べた。

 宮崎県教育委員会の黒木淳一郎教育長(代読=吉玉拓教育次長)は、高校生を対象とした塗装体験が、生徒の成長を促し、進路意識を醸成し、学校の環境整備にも繋がっているとして感謝の意を示すとともに、「生徒が建設業や塗装作業に関心ややりがいを感じ、ひいては県内就職にまで繋がっていくことを切に願う」と述べた。

 式典後に行われた祝賀会では、宮崎県県土整備部の桑畑正仁部長と日塗装九州ブロックの木下顕会長が祝辞を述べたのち、宮崎県支部の顧問を務める日高博之県議会議員の乾杯の発声で開宴した。参加者が会食と歓談を楽しむ中、同じく顧問を務める野﨑幸士県議会副議長も加わって太鼓の演奏を行うなど、会場は大いに賑わいを見せた。

■24年度の事業計画など決定

 宮崎県支部の創立60周年記念式典と祝賀会に先立ち、同日には2024年度「第60回定時総会」も行われた。総会では、23年度事業経過報告や各委員会の活動報告、23年度収支決算、24年度事業計画案及び収支予算案を原案どおり承認。任期満了に伴う新役員の選任案も了承し、支部長に堂地隆一氏を再選した。

 議案審議では、総務、普及、安全・環境、技能、技術、事業特別の各委員会が23年度の事業経過を報告。24年度の事業方針に関しては、▽塗装技能士の若手人材育成(建設キャリアアップシステムのレベル4登録)▽宮崎県内に於ける地域貢献(防災協定・奉仕活動)▽会員企業の広報支援及び顧客拡大―の3項目を掲げた。

 事業方針に基づき、官公庁に対する需要開発促進や民間顧客へのペインテナンスキャンペーンの推進、宮崎県との防災協定の維持促進、アスベスト除去等に関する知識及び技術の習得、塗装技能士検定に係る事前講習会の開催、「いいいろ塗装の日」の奉仕活動、ホームページやSNSを通じた情報発信などに取り組む。

 総会ではこのほか、宮崎県塗装技能士会が23年度事業及び決算と24年度の事業計画を、日本塗装工業会宮崎県支部青年部が23年度事業経過及び24年度事業計画をそれぞれ報告した。

*新役員は次のとおり(敬称略)
▽支部長=堂地隆一(佐藤塗装店)
▽副支部長=平原勝利(ヒラハラテクノ)、岸本武(旭栄塗装)、二見剛志(二見塗装)
▽監事=後藤正樹(東建装)、外山真一郎(コーサイ)、稲田健(花菱塗装技研工業)
▽相談役=朽木充嗣(くちき)
▽総務委員長(会計)=平野均(柴塗装)
▽普及委員長=嶋末武(嶋末塗装店)
▽安全・環境委員長=谷口真樹(タニグチ防水塗工)
▽技能委員長=入田修一(ニュータ)
▽技術委員長=吉川慎一郎(吉川塗装)
▽九州ブロック事業特別委員=緒方美丈夫(緒方塗装)。