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第2四半期に住宅A棟発注 南郷支所跡地複合施設

 日南市は、旧南郷町総合支所の跡地に建設する複合施設に関して、先行整備する住宅A棟の建設工事を第2四半期に発注する。工事の発注に際しては、建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事に分離し、いずれも条件付一般競争入札で事業者を選定する方針。工事は2箇年で行い、24年度当初予算に今年度の事業費として2億3881万円を盛り込んだ。

 2016年の熊本地震を受けて、市は耐震性に課題を抱えていた南郷町総合支所(1959年竣工)の機能を南郷ハートフルセンターに移転。一方で、交通上の利便性が高く、地域活性化への寄与が期待されることから、跡地の利活用が課題となっていた。

 こうした状況を踏まえ、市民の利便性の向上や周辺地域の活性化、防災力の向上等を目的に、跡地に行政機能や居住機能を有し、市民サービスの拠点となる複合施設を整備する。居住機能に関しては、建設から多年が経過し、建物や設備の老朽化が課題となっている栄松A団地(南郷町中村乙)の移転建替と位置付ける。

 市がまとめた計画概要によると、敷地中央に配置する住宅A棟の規模はRC造6階建延べ2435.40㎡で、1階には集会場を配置する。戸数は、1DK11戸、2LDK15戸、3DK2戸の合計28戸。駐車台数は28台。庁舎棟と渡り廊下でつなぐことで、集会場の会議室としての共有利用等を図る。

 また、敷地北側に配置する住宅B棟の規模はRC造7階建延べ2748.89㎡で、1階は駐車場(30台)とする。戸数は、1DK12戸、2LDK12戸、3DK6戸の合計30戸。A棟・B棟ともに、屋上はそれぞれ約200人の避難が可能な一時避難場とし、共用部分に電気を供給する太陽光パネルを設置する。

 一方、有事の際の連携を考慮し、敷地南側の消防署南郷出張所に隣接して整備する庁舎棟の規模はRC造2階建延べ920.55㎡。1階には行政機能、2階には公共性の高い南郷町商工会や南郷町土地改良区、南地区地域包括支援センターの3団体が入居する予定。駐車場は30台(うち思いやり駐車場3台)を確保する。

 概算事業費は、庁舎棟が約7億円、住宅棟が約27億円で、総額は約34億円を見込む。施設整備に係る調査設計は、住宅棟を益田設計事務所、庁舎棟をごとう計画・設計がそれぞれ担当した。

 市が公表した4月時点の発注見通しには、先行整備する住宅A棟の建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事を、条件付一般競争入札で第2四半期に発注するとした。工期は約17カ月を予定。A棟の建設費は約11億8000万円を見込み、24年度当初予算にその一部として2億3881万円を計上している。

 計画概要で示した事業スケジュール案によると、24年7月~25年12月に住宅A建設工事を行い、これと並行して25年3月~26年2月に庁舎棟建設工事を実施。住宅B棟建設工事は、26年7月~27年12月を予定している。