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新技術導入へ基準整備、建設DX推進 鉄運機構

 鉄道・運輸機構は、建設DXビジョンの実現に向けたロードマップを策定した。ICT技術やAIなどの新技術を現場で活用するために基準などの仕組みを整備し、鉄道建設のDX化、GX化を段階的に進める。技術の導入時期は、5年以内、10年以内、20~30年の三つに区分した。

 新技術を活用する仕組みを構築するため、国土交通省が定めた「新技術活用の原則義務化」を下敷きとして、5年後をめどに現場導入が可能な制度の運用を目指す。1件当たりの工事規模が100億円にもなる鉄道建設で、新技術活用を原則義務化し、生産性向上の効果を発揮させる。同時に、技術開発を考慮してECI制度も改善する。

 また、4月に設置した「鉄道技術センター」を活用し、新技術の蓄積・整理・基準化を行う。10年後をめどに、ローカル鉄道の支援などに活用できるデータベースを作成する。

 この他、遠隔臨場の原則化や、透視技術を活用した監督検査、BIM/CIMをARゴーグルなどで現実世界と重ねる技術の開発、ホログラムやMRを活用した施工の見える化・最適化などを行う。

 鉄道建設のDX化では、5年後をめどに土木、橋梁工事、トンネル工事、建設・軌道・電気設備工事のICT施工を進める。特に機構が得意とするトンネル工事では山岳トンネル掘削の遠隔操作を含む新技術、軌道工事ではスラブ調整作業の電動化技術の開発に力を入れ、最終的には無人化施工を目指す。

 また、ICTを活用した安全管理のマニュアル作成や、工事現場周辺データのAI解析結果に基づく安全管理・施工監理の最適化なども図る。

 鉄道建設のGX化では、10年後をめどに二酸化炭素の排出量が少ない電炉鋼材やコンクリート、建機を活用し、カーボンニュートラルな現場を実現する。