建設ネット企画画像 四角 四角

東郷地区引堤事業に着手 川内川事務所の事業概要

 国土交通省九州地方整備局川内川河川事務所は、2024年度予算に基づく事業概要を明らかにした。防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策として、河道掘削や堤防整備、樹木伐採、インフラの老朽化対策等を推進するとともに、24年度から新たに東郷地区引堤事業(薩摩川内市)に新規着手する。

 川内川河川事務所の24年度予算に於ける事業費(工事諸費を除く)は、河川改修費が約17億3700万円、河川工作物関連応急対策事業費が約1億3800万円、河川維持修繕費が約12億4660万円、総合水系環境整備事業費が約1億2000万円で、総額は32億4160万円。前年度と概ね同額を確保した。

 河川改修事業では、薩摩川内市街部の治水安全度向上のため、天辰第二地区まちづくり一体型引堤事業として、20年度に着手した堤防整備(引堤)を継続する。19年度に着手した川内川高潮対策事業では、河口部に位置する船間島・久見崎地区に於いて、引き続き、堤防高さが不足している箇所の嵩上げ等に取り組む。

 薩摩川内市街部直上流に位置する東郷地区では、現況堤防高が治水計画上必要な計画堤防高に対して不足するとともに、洪水を流下させるために必要な川幅も狭いことから、治水安全度向上のための堤防整備(引堤)に取り組む。東郷地区引堤事業として、24年度から用地調査に着手する。

 羽月川の伊佐市堂崎地区や川内川の湧水町栗野地区では、洪水による浸水被害の軽減のため、河道掘削や樹木伐採、護岸整備等を実施する。

 川内川上流に位置する下方井堰改築事業(えびの市原田地区外)では、既設の固定堰が洪水の流下を阻害し、堰上げによる水位上昇の影響が懸念されることから、下方井堰の改築を実施する。24年度も用地取得を継続するほか、導水路の整備に着手する。

 一方、河川工作物関連応急対策事業では、設置後42年が経過し、老朽化が進行している真幸堰(えびの市)の予防保全対策として、ゲート設備の更新を実施。総合水系環境整備事業では、21年3月に変更した川内川水系かわまちづくり計画に基づき、薩摩川内市の天辰地区で高水敷整正や管理用通路等の整備に取り組む。

 このほか、気候変動の影響を考慮し、川内川流域のあらゆる関係者が協働して行う対策も含めた治水対策である「川内川水系流域治水プロジェクト2.0」も推進する。