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廃棄物処理施設整備、清掃工場は大規模改修 延岡市

 延岡市は、一般廃棄物処理施設の整備方針案をまとめ、ホームページで公開した。南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えるとともに、施設性能の維持等を目的に、清掃工場は大規模改修で整備を行い、粗大ごみ処理施設とゲン丸館は複合で建て替えることを基本方針に掲げた。市内居住者等を対象に、4月25日まで方針案に対する意見を受け付ける。

 市の一般廃棄物処理施設は、ごみの焼却処理を行う清掃工場(全連続燃焼式ストーカ炉、処理能力109㌧/日×2炉)、燃やさないごみや粗大ごみの破砕処理を行う粗大ごみ処理施設(同40㌧/日)、缶・ビン等の選別処理を行うリサイクルプラザゲン丸館(同30㌧/日)があり、いずれもクリーンセンターの敷地内に立地している。

 一方で、本県に於いては、南海トラフ巨大地震等の大規模災害の発生が想定されており、事前防災の観点から施設の強靭化を図る必要がある。また、清掃工場については、安定したごみ処理継続のための施設の延命化、粗大ごみ処理施設やゲン丸館については、施設の老朽化に伴う新たな処理施設の整備が課題となっている。

 このため市は、市民生活に必要不可欠な一般廃棄物処理施設の今後の整備方針を話し合うため、学識経験者や地域団体の代表者らで組織する検討委員会を2023年11月に設置。委員会の意見を踏まえ、施設整備に係る基本方針案をまとめた。

 清掃工場に関しては、大規模改修(強靱化・延命化)と新設について比較検討を実施。事業費を抑えつつ、施設の強靭化と延命化の両方が実現可能であることや、建物本体(躯体)が堅牢な状態であること、災害対応をより早期に行うことができること、一般的には延命化が実施されていることから、「大規模改修」を整備の基本方針とした。

 施設の延命化に際しては、単なる基幹的な設備・機器の更新のみならず、省エネ型機器や高効率電動機の採用など、CO2排出量の削減にも取り組む。強靱化に関しては、ごみクレーン自動着床機能の付加や非常用発電機の追加設置、防水扉の設置、雨水貯留槽の設置等を想定する。概算事業費は約81.6億円を見込む。

 事業スケジュール案によると、強靱化に係る改修工事を先行実施するとしており、25年度に長寿命化総合計画の策定、26年度に基本設計、27~28年度に改修工事を行う。延命化に係る改修工事は、財政負担を考慮しつつ、29年度以降に長寿命化総合計画の策定や工事発注支援、改修工事に順次着手するとしている。

 一方、粗大ごみ処理施設とゲン丸館に関しては、両施設ともに老朽化が著しく、現施設の改修が困難であることから、新設を前提に、単独での建替と複合での建替について比較検討を実施。全体事業費が抑制できることや、リサイクルの推進及び施設の運用面で優位であることなどを踏まえ、「複合での建替」を整備の基本方針とした。

 概算事業費は約53.3億円。建替用地は、クリーンセンター西側に位置する旧管理棟及び旧清掃工場の一部(煙突)を解体し、その跡地を活用する。建て替えに際しては、嵩上げによる浸水対策など、大規模災害を想定した対策を図る必要があるとした。

 事業スケジュール案によると、25年度に基本計画の策定、26年度に基本設計と生活環境影響調査を実施するとともに、26~27年度に既存施設の解体工事を行う。27年度から工事発注支援を行い、28~30年度に改修工事を実施する予定でいる。

整備方針案(概要版)