宮崎市は、2024年度に「檍地域複合型施設整備事業」の事業者募集及び選定を行う。老朽化した檍地区交流センターの建て替えに併せて、檍地域事務所など、周辺の主な公共施設等の機能を集約した複合施設として整備する。開会中の3月定例市議会に提出した24年度当初予算案に、事業者選定の費用を盛り込んだ。
18年2月に策定した公立公民館等整備及び長寿命化計画に基づき、市は今後、檍公民館・木花公民館・住吉公民館・大淀公民館の4つの公民館(地区交流センター)の建て替えを計画しており、初弾として檍公民館(吉村町大田ヶ島甲)の建替計画に着手する。
計画では、檍地区交流センターと隣接する檍地域事務所の機能を集約し、敷地北側に位置する江田原ふれあい広場の一部に、檍地区社会福祉協議会や檍地域まちづくり推進委員会も入居する「檍地域複合型施設」として移転新築する。施設の延床面積は約1400㎡を想定し、生涯学習や地域活動、地域防災の拠点と位置付ける。
事業化に向けて、市が22年に行った民間事業者への市場調査では、事業方式に関して、設計・施工を分離発注する従来型方式のほか、設計・施工・維持管理・運営を一括発注するDB方式やDBO・DBM方式、PFI手法のBT方式(建設・譲渡)やBTM方式(建設・譲渡・維持管理)など、それぞれを推す意見があった。
また、約7億円としていた調査当時の事業規模に関して、物価高騰等を背景に「厳しい」といった意見が多く、「必要とする最低限の機能を作るので精一杯で、それ以上の交流スペース等を設置するのは難しい」と指摘する意見があったという。
事業者の選定方法や具体的な選定時期等について、市は現時点で「検討中」としている。当初予算案で示した事業スケジュールによると、24年度に事業者募集及び選定を行い、25年度以降に設計・建設工事を実施する予定。27年度下半期の供用開始を目指している。