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「くむんだー」に大きな歓声 宮崎市で木育イベント

      

▲写真はイベントの模様

 一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部の青年部と女性部は、3月2日に宮崎市中心市街地のアーケードで、児童らを対象とした木育イベントを開催した。参加した親子が、伝統構法を用いた木組みのジャングルジム「くむんだー」を完成させたほか、協力団体や企業が木育関連ブースを出展し、子ども達が木の魅力にふれあった。

 「くむんだー」は、大工技術を生かした貫工法で、国産材の柱や横材を組んで楽しむ木育玩具。組み立てる過程や、ほどく過程を子どもたちに経験させ、木とふれあってもらうことを目的としている。全国「くむんだー」木のジャングルジム協会の川村克己会長(川村工務店三代目棟梁)が考案し、全国各地に会員を増やしている。

 県内でのイベント開催は今回が4回目。建築士会宮崎支部の青年部(山﨑孝紀部長)及び女性部(川口さおり部長)が主催し、県内の工務店や大工の職人ら有志一同と設立した「くむんだー宮崎」が共催。宮崎市が後援し、4つの企業や団体が協力した。

 イベントでは始めに、青年部の担当者が、清水の舞台で知られる京都府京都市の清水寺や、大阪・関西万博に向けて建設中の大屋根(リング)など、貫工法で造られている国内の建築物のほか、木材を伐採し、丸太から製材するまでの過程をスライドで紹介。

 その後、子ども達は部員や保護者の手伝いを得ながら、縦横に組んだ柱と横材に木づちを使ってくさびを打ち込み、1時間程度で高さ約2mの5段組みのジャングルジムを完成させた。せんぐ撒きで完成を祝い、しばらく遊んだ後に、全員でこれを解体した。

 会場内にはこのほか、木材を利用した木工体験型のワークショップや木製玩具等の体験スペースも設けられ、終日、子ども達の元気な歓声がアーケードに響き渡っていた。

 青年部の山﨑部長は、担い手の確保・育成が課題である建設産業に於いて、木育をテーマとしたイベントの重要性を強調。リピーターの子ども達も多く、活動に対する手応えを述べるとともに、「関係団体との連携を深めながら、子ども達に県産材や大工、建築の仕事に触れてもらい、興味や関心を持ってもらいたい」と期待を込めた。