▲新庁舎のイメージ図
串間市は、災害に強いまちづくりの実現に向けて、浸水想定区域内にある現消防庁舎を総合保健福祉センター北側に移転整備する。2024年3月末までに施設整備に係る設計業務が完了し、24~25年度の2箇年で建設工事等を行う。調査・設計等を含む概算事業費は約16.3億円。24年度当初予算に、工事費の一部として約3.1億円を盛り込んだ。
建設から約40年が経過する現在の消防本部・消防署(大字南方122)は、施設の老朽化や車両の大型化による狭隘化が課題となっており、最大規模の降雨で河川が氾濫した際の洪水浸水想定区域に立地している。こうした状況を踏まえ市は、消防庁舎の移転整備に係る基本方針や機能等を盛り込んだ基本計画を22年度にまとめた。
基本計画の内容を踏まえ、23年4月にごとう計画・設計で基本・実施設計業務に着手し、24年3月末に設計業務が完了する見込み。設計業務の内容を踏まえ、消防庁舎整備事業の概要(3月15日現在)をまとめ、ホームページで公開した。
移転場所は串間市総合保健福祉センター北側敷地(大字西方唐人町、敷地面積約9253㎡)。計画建物の規模は、鉄筋コンクリート造平屋建、延床面積は約1628㎡とする。新施設は▽消防本部▽消防署▽共用部▽消防車両車庫―で構成し、屋上には降下訓練や引上げ訓練等で使用する訓練スペース(約400㎡)を設ける。
主要室として、消防本部には事務室及び会議室を配置。消防署には①署事務室②指令センター③サーバー室④出動準備・防火衣収納室⑤救急資機材保管庫⑥消毒洗浄室⑦訓練室⑧トレーニング室⑨食堂・休憩室⑩仮眠室(男性15)⑪洗濯・シャワー室(男性3)・トイレ⑫女性専用室(仮眠室2、トイレ、シャワー室)⑬書庫・共用倉庫⑭ボンベ・ホース室⑮防火衣洗濯室・乾燥室⑯備蓄倉庫(資機材倉庫)―を配置する。
このうち、指令センターやサーバー室、出動準備・防火衣収納室、防火衣洗濯室・乾燥室、女性専用室は新設となる。
屋外構造物に関しては、ホース乾燥塔(高さ12m)や放水壁、煙道、防火水槽、非常用発電機、貯水槽、消火栓、国旗掲揚台などの設置を計画。敷地内には、本部用駐車場(6台)や職員専用駐車場(23台)、来庁舎用駐車場(7台)を整備する。
概算事業費は16億3022万円を見込み、財源には25年度末までを活用期限とする「緊急防災・減災事業債(地方債)」を活用する。年度別の事業費の内訳は、23年度が2億0244万円、24年度が3億0960万円、25年度が11億1817万円。このうち、24年度分の事業費を当初予算に盛り込んでいる。
消防庁舎の本体建設工事(建築主体・電気・機械)に関しては、24~25年度の2箇年で行う方針。25年度に外構工事や指令システム設備更新、デジタル無線移設、備品購入等を行い、25年度までに事業を完了させる予定でいる。
※イメージ図はホームページから抜粋