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現地建替前提に機能など検討 平城保育所整備計画案

 門川町は、福祉施設・子育て支援施設の個別施設計画案と平城保育所整備計画案をまとめ、ホームページで公開した。町内唯一の公立保育所である平城保育所に関して、個別施設計画案で「機能性向上や効率的な施設運営のため、子育て支援施設との複合化を検討する」としたうえで、これを踏まえた施設の整備計画案を示した。

 個別施設計画は、福祉施設・子育て支援施設の長命化等の具体的な方針を検討し、施設の修繕・更新等の時期や事業費の平準化を図ることを目的に策定するもの。計画期間は2024年度から10年間で、対象施設は▽総合福祉センター▽子育て人づくりセンター▽平城保育所▽西門川児童館(20年度から閉館)―の4施設とした。

 個別施設計画案では、施設の現況や立地状況、劣化状況等を踏まえ、各施設ごとに課題を整理。長寿命化と安全性の確保に向けて、日常的・定期的な点検及び診断に基づく予防保全措置の徹底に努めることや、長期的な視点で財政負担の軽減と平準化を図ること、省エネルギー型・環境配慮型の仕様を検討することを基本方針に掲げた。

 実施計画によると、総合福祉センターに関しては、25年度に本館棟の屋根防水工事(概算費2700万円)、26年度に本館棟の外壁改善工事(同4100万円)を実施するほか、27年度にふれあいの館の外壁改善工事(同300万円)と車庫棟(倉庫)の外壁改善工事(同400万円)を実施する予定でいる。

 一方で、現在及び今後の利用を想定していない西門川児童館に関しては、用途廃止等を検討。1974年建設の平城保育所(平城西14-2、RC造平屋建延べ602㎡)に関しては、機能性向上や町全体の効率的な施設運営のため、子育て支援施設(子育て人づくりセンター)との複合化を検討するとした。

 これを踏まえた平城保育所の整備計画案では、建物躯体の安全性や保育所機能の確保の観点から、暫定的に現地での建て替えをベースに、新施設の導入機能や機能を発揮できるゾーニングなどを検討。新施設に関しては、「保育施設と子育て支援施設の複合化により、新しい価値、支えあい等が創造される拠点を目指す」とした。

 新施設に求められる導入機能に基づき、平面プランとして木造平屋建延べ954㎡のA案、S造2階建延べ1170㎡のB案を提示。A案は、園庭の面積が減少する一方、工事費用を抑制できることや各機能へのアクセス性を確保しやすいこと、B案は、園庭の面積をそのままに、遊戯室や子育て支援室を広く取れることを特徴とした。

 事業スケジュールでは、着手から3箇年での施設整備を想定。1年目に新園舎や仮設園舎の基本・実施設計を行い、2年目の早期に仮設園舎を建設する。仮設園舎の完成後に、既存園舎を解体し、撤去完了後に新園舎の建設工事に着手。工期は12カ月を想定し、3年目中旬以降の完成、同年末頃の供用開始を計画している。

 これらの検討事項は、いずれも平城保育所と子育て支援施設機能の複合化や現在地での建て替えを前提としていることから、今後の事業化に向けて、▽新設園舎の適地選定検討▽事業費を踏まえた施設仕様の検討▽利用者意向の把握―が必要とした。