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建設業のイメージなど、高校生と意見交わす 宮崎建協

      

▲写真は交流会の模様

 一般社団法人宮崎県建設業協会は2月8日、県立宮崎工業高等学校の建築科1年生を対象に「教えて先輩!」と題した交流会を開催した。会員企業の代表や現場の第一線で活躍する若手技術者ら13人が同校を訪ね、仕事の内容や休日等の現状を説明したほか、建設業に対するイメージや県内外での就職について意見を交わした。

 交流会は、中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題である建設産業に関して、若年層が抱いているイメージや仕事への考え方を話し合い、これを若手人材の確保・育成・定着に繋げようと開催しているもの。今回が4回目となる。開会挨拶で建築科の中山省三教諭は、「将来を見据えた時間にしてもらいたい」と生徒に呼び掛けた。

 6つの班に分かれて行われたグループディスカッションでは、協会側の参加者が建築科に入学した理由を生徒に尋ねたほか、生徒からは勤務時間や休日といった勤務形態、給料、仕事のやりがい、将来の進路を選択する際のポイント、企業が求める人材に関する質問が寄せられ、協会側の参加者が自身の経験を交えながら丁寧に回答した。

 協会側の参加者は、初めて社会人になった時のエピソードとして、現場で何もできないことに挫折感を感じ、その時に手を差し伸べてくれるのが上司や先輩であるとして、挨拶や返事といった礼儀の大切さ、人との接し方についてアドバイスした。

 また、別の参加者は、様々な職種を束ねる現場監督の仕事について、コミュニケーション能力が必要であることを強調。資格に関する生徒からの質問には、「せっかく学校という勉強できる環境がある。取れるものは取っておいた方が良い」と応じた。

 グループディスカッション後には、生徒と協会の代表が交流会の感想等を発表した。建築委員会の松岡重孝副委員長は、「地域の建設業や地元企業について理解を深めてもらうとともに、ICTの活用や建設DXを通じて新3Kへの転換が進み、現場及び職場環境が大幅に改善されていることを知ってもらいたい」と期待を込めた。

■進路希望は進学が最多

 交流会では、生徒40人を対象に行った事前アンケートの結果も紹介した。卒業後の進路に関しては、「進学」を希望する生徒が57.5%、「就職」を希望する生徒が42.5%だった。就職先の希望地域に関しては、「県内」「県外(Uターンなし)」「未定」がそれぞれ27.5%、「県外(Uターンあり)」が17.5%だった。

 就職したい職種は、「設計・コンサル」が32.5%で最も多く、「専門工事業」が27.5%、「総合建設業」が22.5%、「公務員」が15.0%と続いた。就職で重要視することは、「安定性」(30・0%)、「給料」(37.5%)、「将来性」(15.0%)が続いた。休日は、完全週休2日を希望する意見が6割超を占めた。

 このほか、仕事でやってもいいことを尋ねる設問では、「内業」「災害対応」「ボランティア」がそれぞれ60.0%、「外業(現場)」が55.0%、「営業」が45.0%と高く、逆にやりたくないことに関しては「1時間以上の通勤」が62.5%、「休日出勤」が50.0%、「残業」が42.5%などとなった。