▲写真は挨拶する河野清見、笠山卓治氏、祝賀会の模様
建築板金工の笠山卓治氏(笠山建築板金株式会社取締役会長)が2023年度の「卓越した技能者」(現代の名工)を受賞したことを受けて、宮崎県板金工業組合と同技能士会の有志一同が発起人となり、2月2日に都城市で祝賀会を開いた。参加した関係者やその家族ら約130人が、長年にわたる同氏の功績を称え、受賞を盛大に祝った。
現代の名工は、技能者の地位・技能水準を向上し、優れた技能を次世代に承継することを目的として1967年から行われており、今回が57回目の表彰。累計で7096人が受賞し、受賞者には表彰状と卓越技能章、報奨金が授与される。
笠山氏は、1983年8月に笠山建築板金を設立し、代表に就任。2014年5月に笠山建築板金株式会社に組織を変更し、22年11月から取締役会長を務める。
一般住宅のほか、大型店舗や工場、学校、寺院等の屋根、外壁、樋の施工に際して、雨仕舞いを第一に高い技能で施工。銅板加工の技術にも秀でており、フライパンや花瓶、神社の拝殿等の屋根飾りの作成、美術展への出展など、幅広い活動で地域の人々の生活に寄与するとともに、広く建築板金の魅力を発信している。
1993年に一級建築板金技能士を取得。その後、卓越した技能者(宮崎県知事表彰)や全技連マイスター認定のほか、全国技能士会連合会、宮崎県職業能力開発協会、全日本板金工業組合連合会の功労賞などを受賞している。
祝賀会の発起人を代表して挨拶に立った宮崎県板金工業組合の河野清見理事長は、日々の鍛錬の積み重ねでしか得られない高度な技術や、その上での現代の名工の受賞を称えるとともに、人柄にも優れ、若い人達から尊敬されていることを紹介。「素晴らしい人材が出てきたことを業界としてありがたく思う」と述べた。
来賓を代表して祝辞を述べた古川禎久衆議院議員(代読)と宮崎県議会の二見康之議員は、長年にわたりたゆまぬ技術の研鑽を重ね、地域の文化や人々の生活に多大な貢献があったこと、若手技能士への指導や小中学校でのものづくり体験教室を通じて、技術の継承や後継者の育成にも注力していることを称え、更なる活躍を期待した。
孫の笠山まりあさんと卓楽さんから花束が贈られたのち、挨拶に立った笠山卓治氏は、「身に余る光栄に感謝している。これもひとえに、皆様方のご指導・ご支援のたまもの。この栄誉に恥じることのないよう、一層精進するとともに、後進の育成にも力を注ぎ、技術の継承を繋いで建築板金の発展に尽力していきたい」と意気込みを語った。
祝賀会は、宮崎県職業能力開発協会の外山景一氏の祝杯で開宴。地元太鼓グループの勇壮な演舞が会場を盛り上げ、参加者は会食や歓談を通じて笠山氏の受賞を盛大に祝った。笠山建築板金の笠山卓代表取締役社長が参加者に対してお礼の言葉を述べ、都城市議会の中田悟議員の音頭による万歳三唱で、祝賀会を締めくくった。