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広島一丁目PJ、意見交わし見識深める 建築士会

      

▲写真は田口一孝支店長、イベントの模様

 一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部(甲斐江里子支部長)は12月19日、宮崎市内で「宮崎市広島一丁目プロジェクト」に関する講演会とトークセッションを開催した。宮崎支部の会員や関係者ら約50人が参加し、講演会やトークセッションを通じて、プロジェクトへの見識を深めるとともに、完全開業に向けて機運の醸成を図った。

 プロジェクトは、高千穂通りと広島通りに面するNTT広島ビル2棟を、中心市街地の賑わい創出と回遊性向上に寄与する複合施設として再整備するもの。商業やオフィス等の複合施設(北棟)として、既存施設をリノベーションするほか、建築用コンテナを集積した低層の商業施設(南棟)を新築する。

 11月23日には、南棟の商業施設「HAROW広島通」の8店舗が先行開業、北棟及び残る南棟の店舗は、2025年春の開業を予定する。

 甲斐支部長に代わって挨拶に立った佐々木真也副支部長は、「建物の刷新を学ぶだけでなく、プロジェクトを通じた街中への影響を知る絶好の機会」として、「宮崎の中心市街地に於けるリノベーション計画がどのような点に重きを置いて進められてきたのか、今後のヒントになることを持ち帰って」と参加者に呼び掛けた。

 第一部では、「宮崎のまちなかを歩いて楽しみたくなる賑わいの発信地」をテーマに、NTT都市開発株式会社九州支店の田口一孝支店長が講演。プロジェクトの概要や宮崎市などとの連携協定、開発コンセプトに加え、宮崎駅周辺エリアと市内大型ショッピングモールを比較したウォーカブルイメージなどについて説明した。

 田口氏は、居心地が良く、歩きたくなるまちの実現には、日当たり調整や街灯の設置、歩行者の安全を確保した「歩道の広場化」、多様な活動を繰り広げる「公共空間の芝生化」、沿道施設の1階部分を開放して交流を促進する「沿道施設の開放」といった取り組みを通じて、都市の魅力を向上させていくことが重要と説いた。

 第二部では、田口氏のほか、宮崎県建築士会の日髙達郎副会長や宮崎支部技術委員会の井料田大郷氏、宮崎県建築協会の金丸宜裕技術研修委員長がトークセッションを実施。登壇者4人が第一部の感想を話し、会場を巻き込んだ話題へと発展し、参加者はプロジェクトに関する感想や質問を投げかけ、活発に意見を交わした。

 施工に関する質問に対しては、株式会社坂下組宮崎本社営業部の中村匡宏氏が「人通りや車通りの多い箇所での施工だったため、安全対策に苦労した」と回答。また、「宮崎への海外産コンテナ輸入に際して、スケジュール調整管理や意匠性を重視したコンテナのアンカー繋ぎ目の芯出しにも苦労した」と答えた。