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「どこでもICT」が国交省NETIS登録 旭建設

▲どこでもICT

 日向市の旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役社長)が開発した遠隔無人化バックホウにMG(マシンガイダンス)機能を組み込んだ技術「どこでもICT」が、11月25日付で国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録された。NETIS登録番号はKT-240143-A。バックホウの遠隔操作とMG施工を組み合わせ、二次災害の防止や出来形の向上を図る。

 2018年9月の台風10号で大規模な斜面崩壊が発生した椎葉村下福良の鹿野遊谷川に砂防堰堤を緊急的に整備するにあたり、同社は急峻な斜面での作業に対するリスク低減策として、バックホウの遠隔操作技術とICT技術を融合した「どこでもICT」を独自に開発。

 従来の遠隔無人化施工では、遠隔無人化バックホウに搭載された複数のカメラ映像を、遠隔地のオペレーターがモニター映像で確認しながら掘削作業を行っているが、正確な掘削位置を容易に確認できなかった。

 どこでもICTでは、通信技術により外部タブレットに掘削面の三次元設計データを映し出す無線化したMGシステムを構築することに成功した。これにより、現地周辺の安全エリアにいるオペレーターが無人化バックホウを遠隔操作によりICT施工(MG)を行うことで、切土形状の品質(出来形)及び施工性が向上する。また、掘削精度の確認や丁張設置等の必要もないため、現場内完全無人化を実現している。

 どこでもICTは、インフラ分野でデジタル技術を活用し、建設生産プロセスの高度化などに取り組んだ企業を表彰する国土交通省の「インフラDX大賞」で、2023年度に優秀賞を受賞したほか、一般社団法人日本建設機械施工協会の23年度「日本建設機械施工大賞」で、地域賞部門の最優秀賞を受賞している。

 今後の展望として同社は、国土交通省が2024年4月に打ち出した「i-construction2.0」の実現に向けて、遠隔施工の更なる拡大や自動施工化技術への挑戦に意気込む。