▲写真は見学会の模様
宮崎県中部農林振興局は12月17日、宮崎市清武町木原で第一建設株式会社が施工する「ため池等整備事業(河川応急)新井手地区3工区」の現場で、県内の土地改良専門技術者を対象とした現地研修見学会を開催した。頭首工改修に採用した、県内初の「ダクタルパネルライニング工法」の特性や施工フローなどを学んだ。
新井手頭首工は、経年劣化による摩耗が著しく、特に堰直下の床版や水叩き部には鉄筋が露出。度重なる洪水により護床ブロックが流出するなど、将来的に治水機能が失われる危険性があることから、3つの表面保護工法を比較し、コンクリート表面に耐摩耗層を造る「ダクタルパネルライニング工法」を採用することとした。
ダクタルパネルライニング工法は、超高強度繊維補強コンクリート(ダクタル)を用いた高耐久性薄肉埋設パネル。コンクリート構造物に適用することで、長寿命化や維持管理費の縮減を図るとともに、周囲の景観を損なうことなく、修景利用できる。
見学会では、中部農林振興局農村整備課の古川裕人主任技師が、工事の概要や補修工法の選定、各種工法の比較について説明したほか、現地研修見学会の開催に協力した株式会社ヤマウ宮崎営業部宮崎営業所の木島健太郎所長が、ダクタルパネルの概要や特性、仕様、施工フローを説明した。
説明後には施工中の現場を見学し、参加者はメモや写真を撮るなどして、熱心に説明を聞いていた。第一建設の橋邉堅斗営業課長は、「耐久性だけでなく、景観や環境保全の観点からも注目している。様々な現場でこの工法が浸透していくことを期待したい」と述べた。参加者は「県内初の工法を学ぶことができ、良い経験になった」と話した。