▲写真は現場ルポの模様
日向地区建設業協会の台風14号復興特別委員会(坂本浩一委員長)は、後世への記録や教訓を残したいとの思いから、写真家・山崎エリナ氏のルポルタージュなどを掲載した復興記録集を来年11月に発刊する。12月9日~10日に山崎エリナ氏が諸塚村、椎葉村、美郷町の災害復旧の現場を訪ね、撮影や取材活動を行った。
一昨年の2022年9月に発生した台風14号は、日向地区に大きな爪痕を残した。特に激甚災害に指定されている美郷町、諸塚村、椎葉村では、現在も懸命な復旧作業が行われているが、その爪痕の大きさから、復旧が思うように進まない現状に直面している。
「そんな未曽有の災害の記憶を後世に残したい」「同じような台風が襲来した時に対策の一助となるものを残しておきたい」との思いから、日向地区建設業協会は「台風14号復興特別委員会」を立ち上げ、復旧・復興状況の把握や不足する資機材・人材等の橋渡し、復旧・復興の記録データを集約と共有などに取り組んでいる。
こうした活動の中でも、特にプロジェクトの最終目的として捉えているのが「台風14号復興記録集」の編さんだ。記録集には、特別委員会がデータとして集約したものだけでなく、被災状況から完成に至る写真、復旧状況写真、復旧に携わった人達の写真を掲載し、県内の各市町村や県下の全中学校に無料で配布する予定でいる。
記録集の目玉には、インフラメンテナンス等の建設現場で撮影活動を行っている写真家・山崎エリナ氏のルポルタージュ記事を据える。数多くの建設関連記事や写真集を出版してきた山崎氏だからこそ表現できる写真・文章を、同氏の目線で紡いでもらい、この災害を一過性ではなく、後世の記憶にとどめておく特集に編さんする。
9日に株式会社太伯建設が施工する道路災害復旧工事の現場を訪ねた山崎氏は、現場代理人の甲斐宣人氏や宮崎県日向土木事務所の担当者から工事概要や復旧状況について説明を受け、インフラ整備に対する思いなどを担当者に尋ねた。10日までに株式会社久間組や興洋開発・北部産業開発JV、株式会社橋口組の現場も取材した。
山崎氏は、「現場ルポを通じて、どのような思いや使命感をもって、作業をされているのかを知りたいと考えている。その思いがリンクして伝わるような写真や記事にできれば」と意気込みを述べた。