▲写真は出前講座、見学会の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は12月11日、日章学園高等学校の1年生を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。コンピュータ科や電気科、自動車科の生徒約90人に、建設業の役割や魅力を伝えたほか、稼働中の建設現場で現場の仕組みや工事の進め方などを学び、生徒達が建設業に対する理解と見識を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図るなどを目的に、若年者の入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内高校に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学のほか、就業体験(実施主体は各地区協会)に積極的に取り組んでいる。
出前講座では、講師を務めた株式会社戸敷開発の戸敷泰士代表取締役と、有限会社宇治橋建設の宇治橋信雄代表取締役が、安全・安心で快適な地域の暮らしを支える建設業の役割を説明。建設ビジネスの仕組みや土木・建築以外の建設業の種類、ICTをはじめとした建設業を支える最新技術などを紹介した。
戸敷社長は、「若さを活かし、様々なことにチャレンジして。将来は建設業で活躍してくれることを願う」と生徒達にエールを送った。
現場見学会は、株式会社河北が施工する「株式会社森孵卵場新築工事」の現場で開催。管理部の金丸健一主任が会社の概要や事業内容を紹介し、小河寅雄主査が工事の概要や工事の様子、施工の流れなどを説明した。また、株式会社森孵卵場の今岡英昭九州事業部長は、映像を使って孵卵場の役割などを解説した。
生徒達は、2班に分かれて高所作業車に試乗し、上空から施工中の現場の様子を見学した。金丸主任は、高齢化が進む建設業の現状に触れ、「建設業には若い力が必要。今日の見学会を機に、少しでも興味を持ってくれれば嬉しい」と話した。
一方、株式会社田村産業(宮崎市)が施工する「小丸川北山地区築堤護岸工事」の現場では、工事部工務第一課の甲斐満徳主任が、3次元点群測量を活用した工事の流れを説明。コマツ宮崎株式会社の鳥原孝太氏は、ICT建機と通常建機の違いを説明し、ICTを活用することで、生産性や安全性の向上に繋がることを紹介した。
コマツ宮崎の協力のもとで行われた試乗体験では、ICTが搭載されたバックホウなどの建設機械に生徒達が試乗。参加した生徒は「建設業はアナログなイメージだったが、最新技術が多く使われていることに驚いた。建設業に対するイメージが変わったことは、大きな収穫だった」などと話した。
田村産業の甲斐主任は、「生徒達は貴重な経験ができたのではないか。建設業に少しでも興味を持ち、この業界に進んでくれる人がいてくれたら」と話した。