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施工性の更なる向上へ 施工者と設計者が意見交換

          

▲写真は会議の模様

 日向地区建設業協会青年部(長谷川雄基部長)は11月15日、日向建設会館で「第5回ドボクスタディセッションinHYUGA」を開催した。今回のセッションには、日向地区建設業協と一般社団法人宮崎県測量設計業協会の青年部員ら約30人が参加。施工性の向上に向けて、施工者及び設計者が意見を交わした。

 スタディセッションは、青年部が定期的に開催している宮崎県日向土木事務所との意見交換会を発展的にスピンオフさせたもの。官民の関係者が一堂に集結し、技術研修や情報交換・発信を行う場として開催している。今回は、建設業者及び測量・建設コンサル会社の2者がそれぞれの立場から意見を交わし、情報を共有した。

 日向土木事務所の中村康輝道路建設担当主査は、2020年の土砂災害で被災した相生泰孝氏の思いを引き継ぎ、魅力ある建設業界にするためのこれまでの取り組みを説明。スタディセッションを通じて、関係者が土木の目的を共有し、目的の達成に向けて、皆が楽しく仕事ができるような提案が寄せられることに期待を込めた。

 株式会社七組の岩本倫尚氏は、「土木の現場で活き活きと働くために~人手の少ない土木業界が力を入れて取り組むべきこと~」をテーマに講演。深刻な担い手不足や過酷な労働環境、小規模事業者の不安定な経営といった施工業者の実情を踏まえ、土木の魅力が低迷していることに言及した

 こうした課題を踏まえ、従来のコスト重視から施工性を重視する「施工性の向上」に加え、強靭な地域づくりという土木業界の目的を施工業者・コンサル・行政の三者が共有し、意識と技術を高めつつ、魅力ある土木業界の実現に向けて「働きやすさ」や「やりがい」を創出することを提案した。

 株式会社北部産業開発の坂本浩一氏は、日向地区建設業協会の復興特別委員会が作成した「令和4年度台風14号被災・復興状況」について説明。椎葉村や諸塚村、美郷町に於ける被災状況や災害復旧事業の進捗状況、今後の課題等を報告した。

 会議では、日向地区建設業協会と宮崎県測量設計業協会の青年部員らが、2つの班に分かれてグループミーティングを実施。「互いの現状」「図面への留意事項の記入」「施工性の良い工法の選定」について、それぞれの立場から意見を交わした。

 青年部の長谷川部長は、「今回は互いに勉強しあい、企業間の交流も図ることができた。互いに意識を共有し、次回は行政も一緒に取り組んでいきたい」と話した。