▲写真は競技会の模様
宮崎県と一般社団法人宮崎県溶接協会(碕山裕和理事長)は11月6日、宮崎県工業技術センターで2024年度「第68回宮崎県溶接技術競技会」を開催した。各地区の代表選手と県立産業技術専門校の学生による一般の部に加え、女子の部に合計42人の選手が出場し、日頃の業務や訓練等で培った溶接技術を競い合った。
競技会は、県内溶接技術の更なる発展や技術者の資質及び技能の向上などを目的に、県と協会の主催で毎年開催しているもの。今大会には、今年7~9月に約200人が参加して行われた各地区予選会を勝ち上がった代表選手に加え、県立産業技術専門校構造物鉄工科の学生2人と女子の部の選手3人が特別枠で参加した。
競技は、被覆アーク溶接(手溶接)と炭酸ガスアーク溶接(半自動溶接)の2部門で実施。いずれの部門も、薄板の立向き突合せ溶接と中板の横向き突合せ溶接を課題とした。出場した選手は、審査員の厳しい視線が注がれる中、決められた競技時間で「熱い火花」を散らしながら、真剣な面持ちでそれぞれの課題に取り組んだ。
地区予選を勝ち上がり、初の外国籍選手として県大会に出場したホアン ヴァン キエンさん(24歳)は、5年前にベトナムから研修生として来日し、現在は赤木鉄工所に勤務している。キエンさんは「緊張して思うような作品ができなかった」と話す一方、「これからも日本で技術を学び、将来はベトナムで溶接の仕事に就きたい」と話した。
今後は、12月20日に開催する審査会で成績優秀者を決定し、25年1月21日に宮崎県工業技術センターで表彰式を行う。今大会の成績優秀者10人が、同年7月に沖縄県で開催予定の九州大会に出場する。また、県大会の各部門の優勝者は、同年10月に富山県で開かれる全国大会に本県代表として出場する。
碕山理事長は、「学生や女性、外国籍の選手に加え、県大会に初めて出場する若手選手も増えてきている。こうした技術・技能の継承の流れを継続させるとともに、SNS等を積極的に活用して溶接の魅力を広く発信し、中長期的な担い手の確保・育成にも注力していきたい」と意気込みを述べた。
今大会の出場選手は次のとおり(順不同、カッコ内は所属)。
▽アーク溶接=新村諒太(九州オリンピア工業)、中武潤一(前同)、阿萬意織(前同)、小野毅(池上鉄工所)、岩佐航洋(前同)、長友亮平(前同)、田上裕介(前同)、堀井貴博(ホリイ)、長野秀樹(山田工業)、山田訓正(前同)、黒木友和(清本鉄工)、山田貴博(前同)、田中祐(向陽プラントサービス)、金丸直樹(金丸工業)、菊池淳(山口鉄工建設)、木下敬喜(ブンリ工業)、種子田和伸(タネダ)、井野大海(伊地知鉄工所)、村安覚(冨士工業)
▽半自動溶接=松岡篤武(金丸工業)、西府博宣(オリンピア工業)、江草風汰(前同)、水崎洋樹(山田工業)、佐藤征二(前同)、河野和久(前同)、三原省一郞(山下鉄工所)、山本優太(ホリイ)、中田敏朗(サノヤス・エンジニアリング)、丸田徹(ブンリ工業)、髙橋航哉(前同)、渡邉邦彦(前同)、豊田將伸(前同)、岩切奨吾(前同)、片平禎陽(前同)、出水孝政(タネダ)、ホアン ヴァン キエン(赤木鉄工所)、山田洋平(朝日鉄工)、松田里佳子(MEF HIMUKA)、野中麻理愛(前同)、黒木理那(前同)、大野晃汰(県立産業技術専門校)、早ノ瀬慎吾(前同)。
※碕山理事長の碕は「立さき」