▲写真は講話、体験学習の模様
一般社団法人日本塗装工業会宮崎県支部(堂地隆一支部長)は10月3日、県立宮崎工業高等学校で2024年度「いいいろ塗装の日」の奉仕活動を行った。建築科の2年生約40人を対象に、塗装業界の現状や仕事の内容に関する出前講座を行ったほか、熟練技能士の指導のもと、経年劣化した建物内部の塗装作業を体験した。
日本塗装工業会では、毎年11月16日を「いいいろ塗装の日」と定め、各地で様々な活動を展開。宮崎県支部では県内を3地区に分け、各地区の会員が地域貢献活動に取り組んでいる。これらの活動が高く評価され、社会貢献活動への取り組みが顕著な企業や団体を表彰する宮崎県の社会貢献活動実践企業表彰を受賞している。
宮崎県支部では、担い手不足や熟練技能者の高齢化など多くの課題を抱える専門工事業の現状を踏まえ、高校生を対象とした塗装体験学習を実施。実際に塗装作業を体験することで、塗装の仕事を身近に感じ、専門工事業に対する興味や関心を高めてもらう。今年度は他事業との兼ね合いもあり、前倒しで活動を実施した。
開会挨拶で堂地支部長は、塗装工事が住宅やマンション、店舗等の建築物だけでなく、橋梁等の土木構造物も対象としていること、作業に携わる塗装技能士だけでなく、施工管理を行う現場代理人も必要であることを説明。単純な作業に見えるが、実は奥が深いことを紹介し、「楽しみながら塗装のことを知って」と呼び掛けた。
出前講座では、宮崎県支部の普及委員長を務める嶋末武氏が、塗装が美観だけではなく、紫外線や風雨等から構造物を守る保全の役割も果たしていること、現場の条件や素材に応じて塗り方や塗料を使い分けていることを説明。現場の第一線で活躍する若年塗装技能士が、仕事の魅力ややりがいについて語るVTRを鑑賞した。
嶋末氏は、養生や下地処理、下塗り・中塗り・上塗りといった作業の流れのほか、宮崎県支部の会員が塗装工事に携わった球場や学校、役所、店舗、橋梁、タンクなどの構造物の写真を示し、様々な場所で塗装の技術が活躍していることを紹介。「私たちの仕事は残り続ける」と述べ、塗装業の魅力とやりがいを訴えた。
体験学習では、県央地区の会員企業に所属する塗装技能士が指導役として参加し、経年劣化で色あせた体育館のギャラリーや渡り廊下の壁の塗り替えに挑戦した。生徒達は、熟練技能士からサンドペーパーやパテを使った下地処理の手法、溜まりのない綺麗な塗り方を学び、刷毛やローラーを使って、自らの手で綺麗に塗り替えた。
初めて塗装を体験した女子生徒は、「難しかったが、実際にやってみると綺麗に塗ることができた。塗装のことを知り、すごく興味がわいた」と話した。