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宮工生が建築現場等で就業体験 宮崎県建築協会が協力

      

▲写真は就業体験の模様

 宮崎県立宮崎工業高等学校の建築科2年生を対象としたインターンシップ(就業体験)が、10月15日~18日に宮崎市内を中心とした事業所等で行われている。建築科の生徒が建設会社の事業所や現場事務所、建築設計事務所を訪問し、仕事の内容や魅力、勤労の大切さ、社会人としてのマナーなどを学んでいる。

 就業体験は、産業現場で実践的な知識や技術に触れ、専門教科に対する興味や関心を深めるとともに、生徒の主体的な職業意識を醸成することを目的に実施しているもの。建築科の就業体験には、一般社団法人宮崎県建築協会や一般社団法人宮崎県建築士会と会員企業が協力し、それぞれの現場や事務所等で行われた。

 このうち、株式会社戸髙コーポレーションを代表企業とするグループが施設の設計・施工・入居者移転支援等を行う「宮崎市営住宅新町・追手団地PFI方式建替事業」の現場事務所では、生徒2人を受け入れ、現場事務所の仕組みや事業概要に関する説明、CADによる施工図の作成体験、施工中の建物内部の見学等を行っている。

 2日目にあたる16日には、グループの一員として施工を請け負う株式会社坂下組でインターンシップを行っている生徒2人も合流し、工事の概要や進捗状況について説明を受けたほか、新しく現場に入場する際に現場の状況や危険箇所、ルール等を共有するために行っている新規入場者教育について説明を受けた。

 就業体験中の生徒は、「完成後には見えなくなる建物の下地を見ることができた」「現場監督の仕事が、品質やコスト、安全管理だけでなく、現場の細やかなチェックなど多岐にわたることを学んだ」「職人さんが丁寧に仕事をしていた」などと話した。

 生徒の指導にあたった戸髙コーポレーションの園田修三さんは、「現場で働く全ての人達の安全に対して責任が生じることなどを学んでもらえれば」と話し、「将来は建設業に入職し、業界を元気にしてもらいたい」と期待を込めた。

 一方、宮崎県建築士会に所属する株式会社宮崎設計の事務所では、生徒1人を受け入れ、CADやBIMに関する説明・演習等を行っているほか、同じくグループの一員として同社が設計及び監理を手掛ける新町・追手団地PFI方式建替事業の現場を訪ね、施工中の建物内部とタブレット内の図面を確認しながら、設計時のポイントを解説した。

 見学を終えた生徒は、「正確かつ円滑に工事を進めるための様々な工夫が施されていて驚いた」と話した。宮崎設計の日高安隆代表取締役は、「インターンシップを機に、建築への興味や関心を深め、本県の建設産業を支える人材になってもらいたい」と述べた。