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延工生が伝統的治水技術を学ぶ 第一工科大学と連携

      

▲写真は授業の模様

 宮崎県立延岡工業高等学校は10月7日、伝統的な治水技術「霞堤」を実践的に学ぶ授業を行った。授業は、同校の土木科と第一工科大学が連携して実施。参加した3年生7人が、伝統的な治水技術や過去の災害について理解を深めるとともに、霞堤がある北川町家田地区で氾濫時の水の流れや水位を体験的に学んだ。

 霞堤は、堤防のある区間に開口部を設け、上流側の堤防と下流側の堤防が二重になるように配置した不連続な堤防。洪水時には開口部から水が逆流して堤内地に湛水し、下流に流れる洪水の流量を減少させ、流域全体の安全を守る役割を担う。洪水後には、開口部から堤内地に湛水した水を排水する。

 近年多発する豪雨災害への対策として、こうした伝統的な治水技術が顧みられている。一方で、伝統的な治水技術が残る延岡市北川町家田地区では、霞堤のほかに、水害の爪痕を示す標柱や特徴的な集落の分布など、水害を実践的に学ぶ条件がそろっている。

 伝統的な技術の伝承に寄与するとともに、持続可能な社会づくりに資する若手人材の育成を目的として、同校では霞提を学ぶ授業を開講。第一工科大学工学部環境エンジニアリング学科の本田泰寛教授と大正大学の寺村淳招聘教授が講師として参加している。

 授業では、寺村招聘教授が災害時に撮影した写真を示しながら、霞堤の機能を説明。実際に霞堤を見学しながら、水の流れや水位を確認していた。このほか、家田地区の住民から過去の水害状況等を聞いたり、浸水対策として嵩上げされた住宅も見学した。

 参加した生徒は、「地域の方々は昔から洪水被害と向き合ってきて大変だと思う」「今日の授業を踏まえ、治水技術を学び、災害をなくせるよう貢献したい」などと話した。