▲写真は挨拶する上村社長、大会の模様
日南市の富岡建設株式会社(上村孝司代表取締役)は9月1日、2023年度の「安全推進大会」を日南市内で開いた。4年ぶりの開催となった大会には、同社及び協力会社の職員ら約100人が参加。安全講話や安全表彰、安全宣言を通じて安全意識の更なる高揚を図り、ゼロ災害の達成に一丸となって邁進していくことを誓った。
挨拶で上村社長は、建設業が自然を相手にする業種であることを踏まえ、「ゲリラ豪雨や台風の大型化、竜巻、観測史上最高気温など、近年の異常な自然現象を考えると、この先の予想がつかない状況の中で、日常の安全対策とは別に、緊急事態を予測しながらの現場対応も考えていかなければならない」と指摘した。
また、来年4月から建設業に適用される時間外労働の上限規制に関して、「働き方改革の一環である週休2日制の実施や生産性向上の取り組みについて、適正な工期設定や施工内容、工事金額等への配慮が必要であり、快適な職場環境を形成していくため、受発注者間のコミュニケーションが重要な解決策の一つだ」との認識を示した。
その上で、「健康経営に向けた取り組みを促進し、仕事や安全への意欲・意識を高め、より安全に、より効率良くを合い言葉に、職員と協力会社の協議の中で様々な意見を交わしながら、より良い改善策を提案していきたい」と考えを示した。
国道10号都城道路のボックスカルバート設置工事について事例発表を行った馬場啓吾工事主任は、現場の湧水対策や上空の高圧送電線対策、熱中症対策の内容を紹介するとともに、施工箇所を三次元化して危険の見える化を図ったことなどを説明した。
宮崎港の防砂堤設置工事について事例発表を行った弓削星弥工事主任は、消波ブロック工で吊荷監視モニター付のクローラクレーンを使用し、オペレーターがブーム直下の吊荷や周辺を確認できるようにして、安全性の向上を図ったことなどを説明した。
表彰式では、安全施工・優良工事・優良技術者表彰(工事部門)を受賞した井上元氏と肥川伸一郎氏、協力会社表彰を受賞した▽鹿島道路▽吉祥建設▽幸洋建設工業▽西部システム▽牧野組―の5社、優良従業員表彰を受賞した永田幸男氏、安全標語で最優秀作品に選ばれた岡本勇椰氏に対して、表彰状と記念品が贈られた
参加者を代表して安全の誓いを行った福岡憲治工事課長補佐は、安全に関する経験やノウハウを産業の違いや世代を超えて繋いでいくことの大切さを認識し、安全に対する慣れや過信を捨てて、労働災害の防止に取り組むとともに、事業場の全員が一体となって日々の安全活動を推進し、死亡災害ゼロを目指していく」と述べた。
大会ではこのほか、宮崎県福祉保健部健康増進課の担当者が「受動喫煙対策」について、日南警察署生活安全課の担当者が「うそ電話詐欺の被害防止」について、それぞれ講演。宮崎県のシンボルキャラクター「みやざき犬」のダンスショーも行われた。