▲写真は、挨拶する牧田会長、河野知事、大会の模様
一般社団法人宮崎県トラック協会(牧田信良会長)は8月31日、宮崎市内で持続可能な物流構築のための総決起大会を開催した。関連する国の出先機関や宮崎県、関係団体から総勢約350人が参加。2024年問題への対応に向けて、荷主・運送事業者・消費者の代表が共同宣言を行い、相互の連携や物流基盤の強化等を図ることを確認した。
時間外労働の上限規制や適正な価格転嫁など、生活や経済を支える物流業界が抱える諸課題について、運送事業者のみならず、荷主企業や消費者等を含めたサプライチェーン全体の問題として「共有」し、関係者が連携・協力して付加価値向上や稼げる力を高める「共創」により、持続可能な物流の実現に繋げることが必要不可欠となっている。
主催者挨拶で牧田会長は、働き方改革をはじめとした物流の2024年問題に於ける問題点を踏まえ、「この問題は決して我々だけで乗り越えられる問題ではない」と指摘。「今日ここに集まった皆さんと団結して、問題を解決したい」と述べ、官民一体で問題に向き合う重要性を強調した。
大会を共催した宮崎県の河野俊嗣知事は、「物流は本県の生命線であり、物流の流れを保っていかなければ、我々の生活は成り立たない」として、県民一人ひとりが問題の本質を認識し、関係者を含めて互いに協力することが問題解決に繋がると強調した。
共同宣言では、荷主企業代表の宮崎県経済農業協同組合連合会、運送事業者代表の株式会社キング運輸、消費者代表の宮崎県地域婦人連絡協議会がそれぞれの立場から、2024年問題という大きな変革をチャンスと捉え、本県の産業活動や経済が元気であり続けるため、将来にわたって持続可能なみやざきの物流構築に取り組むと宣言した。
宣言では、荷主企業が物流に係るコストを理解し、県内産業と物流全体の共存共栄や荷待ち・荷役作業の縮減、荷物到着日時の弾力化に努めること、運送事業者が物流の省力化を図り、ドライバーの負担軽減や適正な取引環境で効率的な輸送サービスの実現を図ること、消費者が適切な送料や納期を理解し、再配達の削減等に取り組むことを掲げた。
大会ではこのほか、国土交通省自動車局貨物課長の小熊弘明氏が「我が国の物流の革新に向けた取組みの動向」について、物流ジャーナリストで日本物流学芸会員の森田富士夫氏が「2024年問題を克服し、持続可能な物流サービスを構築するために」をテーマに講演を行った。