延岡市は、国が整備を進める天下地区河川防災ステーションの機能の一部として、市が整備する「水防センター」の概要を公表した。水防活動の拠点施設として、軽量鉄骨造平屋建延べ約300㎡のセンター内に、会議室や資材倉庫等を配置する。今年度中にセンターの建設工事に着手し、来年度上半期の完成を目指す。
洪水時の水防活動や緊急復旧活動の拠点として、国土交通省九州地方整備局延岡河川国道事務所は、東九州自動車道の延岡ICに近接した五ヶ瀬川本川と行縢川との合流点に於いて、災害対策車車庫やヘリポート、備蓄資材(根固ブロック)のブロックヤードを備えた「天下地区河川防災ステーション」の整備を進めている。
ステーション内には、円滑な水防活動を行う際の拠点となる「水防センター」を延岡市が整備する。完成後は、非常時の水防活動をはじめ、平時の防災学習の場とすることで市民の防災力向上を図るとともに、災害時の一時的な避難場所(最大で60人程度の避難が可能)として使用することで市民の安心・安全を確保する。
施設内には、会議室2部屋に加え、災害対応備蓄品や水等を保管できる倉庫を配置。水防団員や避難者も使用できるシャワー室、ロッカー付き更衣室のほか、水防活動中でも靴のままで使用できるトイレを整備するとともに、災害用自動販売機を設置する。敷地は、想定最大規模の洪水でも浸水しない高さに嵩上げしている。
概算事業費は約1億5000万円で、年間の維持管理費(光熱費・管理委託費等)は250万円を見込む。計画では、2023年度中に水防センターの建設に着手し、2024年度上半期の完成を目指す。本格的な施設の使用は、防災ステーション全体が完成した後(25年度以降)を予定している。完成後のステーションの維持管理については、国と管理区分を設定して協定を結び、市が管理する予定でいる。
延岡市は、こうした計画概要をホームページに掲載し、9月20日まで市内居住者等を対象に意見を受け付けている。