建設ネット企画画像 四角 四角

小中一貫校計画、新校舎「現段階では困難」 高原町

 将来的な児童生徒数の推移等を踏まえ、併設型小中一貫教育校の設置計画を進めている高原町は、財政上の理由から、当初計画していた新校舎の建設を「現段階では困難」と判断し、各地で開いた町政報告会で説明した。そのうえで、既存施設を改修するなどして活用し、2026年度に小学校及び中学校をそれぞれ統合する方針でいる。

 より良い教育環境の整備や学校教育の更なる充実を目的として、町は2021年5月、広原小学校、狭野小学校、後川内小学校を高原小に統合するとともに、後川内中学校を高原中学校に統合することを盛り込んだ「学校規模適正化基本方針」を決定。22年2月には、施設整備の考え方や方向性等を示した「施設整備基本構想」を策定した。

 このうち、施設整備に係る基本構想では、25年度までに高原中学校の敷地内に2900㎡程度の新校舎や320㎡程度の給食棟を整備するとともに、既存校舎も一部活用して、26年度に併設型の小中一貫教育校を設置することを計画。体育館は既存施設を活用し、プール施設は今後、検討する方針などを示していた。

 一方で、町立の国民健康保険高原病院では、医師不足等により経営改善の兆しが見えず、一般会計から多額の基準外繰入が続いており、町の財政に大きな影響を与えている。現状のままでは、公共施設整備基金等に関しても一般会計への繰り入れが必要となり、校舎建設に必要な財源を確保できないことが想定される。

 こうした現状や今後の見通しを踏まえ、町は当初計画していた新校舎の建設は「現段階では困難」と判断。一方で、高原小学校と高原中学校の既存施設を改修するなどして活用し、統合小学校と中学校をそれぞれ設置する方針を示した。今後、保護者らを交えた準備委員会等で協議を行うなどして、整備方針等を決定する考えでいる。