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東京ビル再整備事業、基本設計案まとめ 宮崎県

 宮崎県は、東京ビル再整備事業に係る基本設計案をまとめ、県議会9月定例会の総務政策常任委員会で報告した。東京都千代田区九段南の現在地に建て替える新たなビルの規模は、構造がS造一部RC造、階数が地上11階・地下1階、延床面積が8555㎡。2024年6月までに実施設計を完了させ、同年10月に着工する。

 財政負担の軽減や将来にわたる資産価値の維持、立地環境を活かした土地活用の高度化等の観点から、経年劣化が進む既存施設を解体し、跡地に施設を建て替える計画。1~6階にフロンティアオフィスや学生寮、職員宿舎といった県施設を配置し、7~11階に賃貸オフィス、地階に機械式駐車場といった民間施設を合築する。

 既存建物の解体や新施設の設計・建設は、ヒューリックグループ(代表事業者=ヒューリック、構成員=竹中工務店、坂口建設、戸髙コーポレーション、安井建築設計事務所、ヒューリックビルマネジメント)が担当。完成後に県が県施設部分を買い取り、維持管理及び運営を行う。事業者は、所有する民間施設の維持管理及び運営を行う。

 県が公表した基本設計案によると、施設の設計コンセプトには、▽県施設と民間施設の合築による相乗効果の創出▽県産木材の効果的な活用と象徴的なデザイン▽大地震発生に備えた性能・構造▽入居者の安心・安全に配慮したセキュリティの確保▽様々な利用者に対応したユニバーサルデザイン―の5項目を掲げた。

 外観に関しては、家をモチーフとしたデザインにより、県産木材のPR効果を向上させる。また、1階のエントランスや情報発信スペース、2階の共同自炊室、2階~3階の学生寮には県産木材をふんだんに使用し、利用者が県産木材に触れる機会を創出し、学生寮や職員宿舎の入居者が故郷を感じられ、心安まる雰囲気を創出する。

 配置計画によると、前面道路から最も視認性の高い敷地南東部に県情報発信スペースを配置。東側は低層建物と隣接するため、敷地境界から4m以上の空間を設け、学生寮や職員宿舎、その他県施設の採光・通風を確保する。西側は高層住宅と隣接するため、階段やエレベーター等の設備を配置し、プライバシーを確保する。

 複数用途(県施設・賃貸オフィス等)に使用するビルであるため、用途ごとに独立した入口を確保し、建物内の動線を分離。賃貸オフィス等の入口を中央に配置することにより、民間施設と県情報発信スペース等の利用者間の交流を促進させる。1階の天井面には防犯カメラと人感センサーを設置し、事務室で確認・管理できるようにする。

 一方で、災害への備えとして、極めて稀に(数百年に一度程度)発生する大地震で想定される力の1・25倍の力でも倒壊・崩壊しない性能を確保。近年、各地で頻発するゲリラ豪雨対策として、建物の雨水排水機能を強化(都内最大観測記録の約2倍の降雨に対応)するとともに、浸水への備えとして、90m3の雨水貯留槽を設置する。

 今後は、23年7月~24年9月に既存ビルの解体工事を実施。これと並行して新施設の基本・実施設計を進め、24年6月までに設計を完了させる。24年10月~26年9月に新ビルの建設工事を行い、26年10月の供用開始を目指す。