▲写真は出前講座の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は9月20日、県立宮崎農業高等学校の生徒を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。環境工学科の2年生14人を対象に、建設業が果たす役割や魅力・やりがいなどを伝える講義を行ったほか、宮崎市と都城市でそれぞれ施工中の建設現場を訪ね、建設工事に対する理解と認識を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区協会)に積極的に取り組んでいる。
出前講座では、戸敷泰士氏(株式会社戸敷開発)と川口泰直氏(株式会社宮崎特殊工事)が「建設産業の魅力に迫る」をテーマに講演。建設業は国土をデザインし、災害から人々を守る仕事であることを説明するとともに、それぞれが建設業に入職したきっかけや建設業の仕組み、道路や下水道、港湾、河川等の身近な工事を紹介した。
このほか、かつて3Kと云われた建設業のイメージアップに向けて、発注者と受注者が一体となり、処遇改善やDX化など様々な施策を展開していることを説明。現場で必要となる資格の種類を紹介するとともに、自分の仕事が形として残ること、困っている人達の役に立ち、皆に喜ばれる仕事であることを建設業の魅力に挙げた。
現場見学会は、宮崎県宮崎土木事務所が発注し、株式会社岡﨑組が施工する県道宮崎西環状線古城工区の橋脚工事の現場で開催。宮崎土木事務所の担当者が、渋滞区間を回避し、道路交通を円滑化するための路線整備であることを紹介したのち、現場代理人の菅原大幸氏が、橋脚工事の概要や流れ、現在の進捗状況などを説明した。
説明後には現場近くまで移動して、コンクリート打設前のフーチングの施工状況を見学。基礎杭に使用されている鉄筋や、職人が作業する模様を確認しながら、施工方法等について質問を行っていた。再度、現場事務所に戻り、農業高校OBの職員がメッセージを送ったほか、建設業を選択肢の一つとしてらもうよう呼び掛けた。
当日はこのほか、龍南建設株式会社が都城市内で施工する国道10号都城志布志道路の改良工事や函渠設置工事の現場も見学した。参加した生徒の代表は、「何も無いところから道路や建物を造り上げる責任のある仕事だと感じた。授業で学んだことを実際に見ることができて、とてもワクワクした」と話した。