東日本と中日本、西日本の高速道路会社3社は、暫定2車線区間の正面衝突防止対策として、長大橋及びトンネルに於ける区画柵の試行設置箇所を拡大する。これまでに全国の6箇所で、センターパイプとセンターブロックを試行的に設置し、事故防止対策の有効性などを検証していたが、今後、試行設置箇所を全国に拡大する。
長大橋とトンネルを対象とした暫定2車線区間の正面衝突事故防止対策では、2021~22年度に初弾試行を実施。長大橋4箇所とトンネル2箇所にセンターパイプかセンターブロックを設置し、走行性と維持管理面での効果を検証した。問題がなかったため、試行範囲を広げながら、事故防止と緊急時対応での課題の検証を進める。
試行設置は、対向車線飛び出し事故が発生した長大橋や規格規模がC・D等級のトンネルで実施する。各社の試行設置箇所数は、東日本が長大橋16箇所とトンネル2箇所、中日本が長大橋17箇所とトンネル1箇所、西日本が長大橋6箇所とトンネル3箇所。東日本の長大橋は23年度以降、それ以外は24年度以降に設置する予定。
西日本高速道路管内のうち宮崎県関係では、東九州自動車道の都農IC~高鍋ICの長大橋1箇所に試行設置する予定でいる。
暫定2車線区間では、中小橋と土工部でワイヤロープ設置による衝突事故防止対策が概ね完了している。長大橋とトンネルでは、構造上の特性からワイヤロープを設置できないケースが多いことから、国土交通省では丸型鋼管を使ったセンターパイプか鉄筋コンクリート製のセンターブロックで代用できるか導入効果を探っている。