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半導体生産拠点へ、資産取得で基本合意 ローム

 半導体メーカーのローム株式会社(松本功代表取締役社長)は、太陽光発電システムの開発・販売を手掛けるソーラーフロンティア株式会社(渡辺宏代表取締役社長)と、同社の旧国富工場の資産取得について基本合意したと発表した。取得時期は2023年10月を予定しており、ロームグループの主力生産拠点として活用する。

 脱炭素社会の実現に向けて、特に自動車や産業機器市場では、環境負荷の低減やカーボンニュートラルを達成するための技術革新が進み、パワー半導体やアナログ半導体を中心に需要が増加している。半導体市場の更なる拡大が見込まれる中、顧客への安定供給を実現するため、SiCパワー半導体を中心に生産能力の拡大を図る。

 取得予定の資産概要は、敷地面積が約40万㎡、建物の延床面積が約23万㎡。既設の生産棟(約11・5万㎡)などを活用して、SiCパワー半導体を中心に生産する計画で、早ければ2024年末の稼働を目指す。事務所や物流倉庫、研究開発拠点、屋外実証エリアは、ソーラーフロンティアに貸与して継続利用する予定。

 今回の基本合意に関して、宮崎県の河野俊嗣知事は、新たにSiCパワー半導体の生産拠点として大規模な事業を展開することが、本県経済の発展に大きく貢献すると期待を込めるとともに、「県としても、地元国富町と連携し、正式な取得及び事業展開に向けてできる限りの支援を行っていく」とコメントしている。