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新庁舎建設、民間施設の成立可能性を確認 宮崎市

 宮崎市は、新庁舎建設に関するサウンディング型市場調査の結果を公表した。調査テーマの一つとしていた「立体駐車場と橘公園を活用して実現する民間事業」に関して、ホテルや商業施設等の成立可能性があることが確認できたことから、今後、こうした可能性も考慮しながら、ポテンシャルを最大限に引き出せる配置計画や動線計画等について検討を行う必要があるとした。

 計画敷地(現庁舎敷地)は、市民プラザや橘公園、大淀川に近接していることから、そのポテンシャルを活かした橘公園との一体的な整備や市民プラザとの連携等を視野に、市民に親しまれる新たな空間の創出に取り組む方針でいる。市場調査を通じて、民間事業者が有するノウハウやアイデアを活かした公民連携手法の可能性を探る。

 調査では、①立体駐車場と橘公園を活用して実施する民間事業の内容と実現の可能性(Park-PFI、立体駐車場の建設・運営等)と②新庁舎に民間機能を導入するにあたっての成立可能性―の2パターンをテーマに設定。

 各バターンに対して、▽収益性の高い庁舎とするにあたって導入可能な機能とサービス▽民間施設を成立させるために望ましい事業手法▽事業の運営期間▽事業で活用する面積規模や収支見込(採算性)▽立体駐車場の建設・運営における民間活力導入▽市民に親しまれる新たな空間の創出の可能性や発展性―について意見を求めた。

 調査には、デベロッパー4者、ゼネコン4者、維持管理企業2者、インフラ企業2者、駐車場運営企業1者が参加。5月22日~6月2日に個別にヒアリングを実施した。調査の結果は、宮崎市のホームページで確認できる。

 このうち①に関しては、ホテルやマンション、スーパー、飲食など民間施設の成立可能性を確認。スーパーや飲食が成立する設置条件として、1階に配置し、通りからの動線が必須との意見があった。これを踏まえ、民間施設を導入するためには、今後、ポテンシャルを最大限に引き出せる配置計画や動線計画等の検討を行う必要があるとした。

 同じく①のうちPark-PFIに関しては、現状の橘公園では規模が小さく、多くの利用者が見込まれないため成立可能性は難しいとの意見がある一方、民間施設との連携や河川敷を含めた公園の利用であれば、成立可能性が見込めるとの意見もあった。このほか、屋上緑化の効果に疑問があるという意見も寄せられた。

 また、大淀川をいかした新たな空間の創出に関しては、リバーサイドという観点からポテンシャルが高く、大きな期待が持てるという意見があったことから、庁舎や立体駐車場の配置を含め、一体的な利用の可能性について検討する必要があるとした。一方で、好立地の市民プラザについては、将来像も見据えた計画にすべきとの意見があった。

 立体駐車場の建設・運営への民間活力の導入に関しては、運営に際して駐車場単体での独立採算は困難であるという意見が散見されたほか、民間ノウハウを活用して効率的に運営し、支出を減らすことは可能との意見があった。これを踏まえ、民間ノウハウを活用して、コスト縮減に寄与する事業手法を検討をする必要があるとした。

 新庁舎に民間機能を導入する成立可能性に関しては、コンビニや飲食店、物販店が考えられるという意見があった一方、市職員だけでなく市民にも利用されるものでないと事業が成立しない、賃料でイニシャルコスト分までは稼げないという意見も寄せられた。

 民間施設を成立させるために望ましい事業手法に関しては、ホテルの場合で定期借地や土地の売却、駐車場は公設民営またはBTO後に民間で運営することが現実的との意見があった。運営期間に関しては、定期借家で5~10年、定期借地(商業)で20~30年、ホテルで40~50年、Park-PFIで10年という意見があり、大規模修繕のリスク回避や収益の見通しの観点から、10~15年としたいとの意見が寄せられた。

 これに対して市は、現段階では事業開始まで期間があり、民間事業者としても確たる見通しがつかないことから、今後もサウンディング調査等を実施し、市場の動向等を把握しながら、検討を進めていくことが必要とした。

 市が策定した新庁舎の基本構想では、現庁舎敷地に整備する新庁舎の階数を12階建、面積を4万1000㎡と設定。1棟に集約して建て替える配置案を基本に検討を進めるが、事業費抑制の観点から、仮設庁舎を必要としない分棟型も検討する。概算事業費は、1棟集約型の配置案で約319・2億円、分棟型の配置案で約297・5億円を見込む。

 現在は、新庁舎建設に係る基本計画策定業務が日本総合研究所で進捗中。基本構想で示したスケジュール案によると、23年度に基本計画の策定、24~25年度に基本・実施設計、26年度に建設工事に着手し、最短で31年度の全庁運用開始を目指している。

市場調査の結果(概要)