延岡市は、河川氾濫等に伴う浸水被害の軽減を目的とした北川町曽立地区の浸水対策事業について、整備概要や事業費を見直した。未確定だったポンプ施設等の概要が決定したことや橋梁架替に係る設計変更を行ったこと、資材高騰の影響等を踏まえ、これまで約4億8000万円としていた工事費等を8億6550万円に見直す。
北川町の一級河川五ヶ瀬川水系北川では、大型化する台風や線状降水帯等の影響により、河川の計画高水位を越える出水が頻発。特に曽立地区では、内水氾濫による浸水被害が頻繁に発生していたことから、市は浸水被害軽減対策を検討し、19年度に基本計画を決定。これまでに、事業用地の取得や河川の堤防工事に着手している。
整備概要は、▽河川整備L=380m(土堤L=200m、特殊堤L=130m)▽市道付替L=210m▽曽立橋架替工N=1橋▽ポンプ施設工N=3基(うち予備1基)―を計画。調査・設計が概ね完了した現時点の工事費は8億6550万円を見込む。
このうち、既に着工している曽立橋(L=11.9m)の上部工はプレテンション方式単純床版橋、下部工は逆T式橋台、杭基礎は場所打ち杭工法を採用。19年度時点で10・5mとしていた幅員を25・2mに変更したことや、杭基礎の延長及び本数を増やしたことから、工事費は19年度比で約2倍の2億9090万円となる。
ポンプ施設に関しては、22年度に詳細設計を行い、水中ポンプ(φ350×15㌔㍗)3基を設置することを決定。概算工事費は1億2300万円を見込む。このほか、河川工事費に1億8340万円、道路工事費に1億0740万円、市管理倉庫の解体工事等に1270万円、NTTケーブルや水道管等の移設費に4030万円を充てる。
当該事業では、20年度までに測量・調査・設計が概ね完了し、21年度から用地買収や家屋等移転、対策工事に着手している。今後、着工済の橋梁架替を進めるとともに、河川護岸整備工事やポンプ施設整備工事を実施し、23年度の事業完成を目指す。
市は、現時点の事業概要をホームページ等で公開し、市内居住者等を対象に、工事費の変更に関する意見を募集している。