三股町は、2023年度の町発注公共工事に於ける新たな取組内容を示した。働き方改革の推進に向けて、国庫補助事業に係る建設工事で週休2日工事を運用するほか、設計変更等を適切に行うため、宮崎県のガイドラインに準拠して対応する。工事請負費130万円未満の随意契約による工事の書類簡素化にも取り組む。
改正労働基準法による時間外労働規制が24年4月から建設業に適用されることから、建設業の週休2日を促進するため、町発注の国庫補助事業に係る工事について、工期に制約のある工事等を除き、原則、受注者希望型の週休2日工事として運用する。県補助事業及び町単独事業についても、対応可能なものは同様に運用する。
週休2日設定工事については、入札公告や指名通知書、特記仕様書に明示。工事費の積算については、受注者希望型の場合、当初発注時は補正分を計上せずに積算を実施し、達成状況(4週6休、4週8休等)に応じて、補正分を増額変更する。発注者指定型とする場合は、特記仕様書に於いて、積算上の補正分の取扱い等を明示する。
また、 現場の自然条件の変化に伴う設計変更等を適切に行うため、23年4月から宮崎県の「設計変更ガイドライン」「設計図書照査ガイドライン」「工事一時中止に係るガイドライン」「設計業務等変更ガイドライン」に準拠して対応する。
一方、県のガイドラインに準じて取り組んでいる工事書類の簡素化に関して、ガイドライン中の施工計画書のうち「維持工事等簡易な工事及び当初設計額250万円未満の工事においては、監督員の承諾を得て、記載内容の一部を省略することができる」との規定に基づき、随意契約(工事請負費130万円未満)の工事を取扱の対象とする。
町ではこのほか、23年3月から適用している公共工事設計労務単価の上昇を通じて、適正な利潤の確保や更なる賃金の引き上げといった好循環を継続するため、国土交通省不動産・建設経済局長から建設業界団体の長あての通知「技能労働者の適正な賃金水準の確保」に基づく措置を講じてもらうよう、事業者に要請している。
国土交通省が今年3月にまとめた入札契約の適正化に関する取組状況調査によると、22年10月1日時点で週休2日工事を実施していると回答した県内の市町村は、宮崎市と延岡市の2団体のみ。都城市や小林市、新富町、諸塚村が「検討中」と回答していた。一方、宮崎県は、公共三部が発注する原則として全ての工事に適用している。
■最低制限価格の上限引き上げ
三股町は、最低制限価格に係る財務規則の一部を改正し、2023年5月11日以降の入札実施分から適用を開始した。建設工事に於ける最低制限価格の設定範囲に関して、これまで「予定価格の90%」としていた上限を「予定価格の92%」に引き上げる。
町ではこれまでも、ダンピング受注の防止や建設産業の健全な発展、公共工事の品質確保を図るため、適切な最低制限価格の設定を行ってきたが、国における最低制限価格算定式の見直しや資材価格の高騰等を考慮し、最低制限価格の設定水準を引き上げる。
これにより、建設工事に於ける最低制限価格の設定範囲は、土木一式工事と建築一式工事が「予定価格の85~92%」、その他の建設工事が「予定価格の3分の2~92%」となる。建設関連業務は、従来通り「予定価格の3分の2~90%」に据え置く。
また、宮崎県が工事請負契約約款及び土木設計業務等委託契約書を一部改正したことに伴い、同様に「三股町工事請負契約約款」「三股町土木設計業務等委託契約約款」を一部改正。23年3月30日から適用を開始した。
発注者が受注者に対して有する債権と、受注者が発注者に対して有する債権を相殺する場合、その相殺の順序を発注者が指定する旨の規定を設けた。
《三股町の発表資料》