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檍地域複合型施設、市場調査の結果公表 宮崎市

 宮崎市は、檍地域複合型施設整備事業に係るサウンディング型市場調査(事前可能性調査)の結果をまとめ、概要をホームページで公開した。参加した建設関連業を含む19者が、事業方式や事業期間、事業規模、事業化に向けた課題解決のアイデア、民間活力による創意工夫、行政に対する要望等について意見を寄せた。

 2018年2月に策定した公立公民館等整備及び長寿命化計画に基づき、市は今後、隣接する檍地域事務所の機能を集約し、北側に位置する江田原ふれあい広場の一部に檍地域複合型施設として移転新築する予定でいる。新施設の延床面積は約1400㎡を想定し、「生涯学習と地域活動の拠点」及び「地域防災の拠点」と位置付ける。

 施設の整備に際して市は、生涯学習及び地域活動の拠点としての機能向上や隣接する公園との一体的な活用、民間活力の導入、持続可能な施設運営、コストの縮減、収入の確保等を模索するため、昨年12月~今年3月に民間事業者と対話を実施。設計業2者や建設業4者、運営業5者、不動産業2者など合計19者が参加した。

 調査結果を見ると、事業方式に関しては、設計・施工を分離発注する従来型方式のほか、設計・施工・維持管理・運営を一括発注するDB方式やDBO・DBM方式、PFI手法のBT方式(建設・譲渡)やBTM方式(建設・譲渡・維持管理)、公民館と連携したPark-PFI方式のメリットを挙げ、それぞれを推す意見があった。

 事業者選定までの期間については、「事前調査や企業グループの提携等が必要であり、(市が想定する)6カ月では厳しい」といった意見や「コンセプトづくりに時間をかけた方がよい」といった意見があった。一方、事業者選定後の期間については、「設計期間1年は妥当と考えるが、その前に基本構想があってもよい」などの意見があった。

 事業化に向けた課題解決に関する提案では、▽交流や憩いの場の創出▽公園との一体的な活用▽稼働率の向上・スペースの有効活用▽イニシャルコスト・ランニングコストの縮減▽長寿命化の工夫▽市有財産の有効活用による収入の確保―などをテーマに、施設の整備や運営などの視点から、様々な意見が寄せられた。

 一方で、約7億円としている事業規模に関しては、物価高騰等を背景に「厳しい」といった意見が多く、「現時点で市が必要としている最低限の機能を作るので精一杯で、それ以上の交流スペース等を設置するのは難しいのではないか」と指摘する意見があった。

 このほか、事業者選定に関する要望事項では、市外業者や県外業者も参加できるなどの参加条件の緩和や、提案重視の配点構成によるプロポーザル方式の導入などを提案。事業方針に関しては、複合施設と公園整備(Park-PFI)を一体的に発注することや、計画及び基本設計段階から一体的に関わることなどを提案した。

 市は、今回の調査結果を参考に事業方針の検討を進め、可能な限り速やかに事業方針を決定する。市が示した事業スケジュールでは、23年度に事業方針を検討し、24年度中頃~27年度に施設整備に係る設計・工事を実施。27年度の移転を予定している。

調査結果概要