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ICT工事、22年度までに260件実施 宮崎県

 宮崎県が2017年度から試行を開始したICT活用工事の実施件数が、22年度までに合計260件、実績業者数は109者となった。試行開始以来、新規工種や小規模土工への適用、部分活用といった中小事業者への普及拡大に向けた取り組みを進めている。23年度はこのほか、CIMを活用した橋梁等の詳細設計も試行する予定でいる。

 建設業就業者数の減少や就業者の高齢化を背景に、国は調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全てのプロセスでICT(情報通信技術)を活用する「i-Construction」を推進。建設現場の生産性向上や担い手の確保・育成に向けた国の動向を踏まえ、宮崎県もデジタル化の取り組みを推進している。

 宮崎県のICT活用工事は、土工量1万m3以上の工事を対象に、17年度から試行を開始。18年度に予定価格3千万円以上の土工を含む土木一式工事に対象を拡大し、20年度には予定価格1500万円以上までさらに対象を拡大した。21年度には、ICT舗装工を追加し、3次元データの部分的な活用を認める簡易型を新設した。

 22年4月には、それまで工種ごとに制定していたICT活用工事の要領を統一し、「ICT活用工事実施要領」を制定して、ICT活用工事の本格運用を開始。同年10月に、小規模土工や地盤改良工(浅層・中層・深層混合処理)、構造物工(橋脚・橋台)を追加するとともに、23年3月から新たに港湾浚渫工を対象に加えた。

 県内企業の取組実績をみると、17年度の実施件数が2件(新規実績業者数2者)、18年度が36件(26者)、19年度が38件(17者)、20年度が69件(29者)、21年度が60件(19者)、22年度が55件(16者)で、17年度~22年度の全体の実施件数は260件、実績業者数は109者となっている。

 県ではこのほか、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階に於いても3次元モデルを連携・発展させ、事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図るBIM/CIMの導入も年次的に進める予定でいる。

 具体的には、23年度にBIM/CIM活用業務試行要領を策定し、22年度に抽出した試行案件(橋梁等)について、詳細設計を実施する見通し。合わせて、24年度の詳細設計試行案件(トンネル)を抽出する。24年度にはBIM/CIM活用工事試行要領を策定し、25年度にCIM対象工事を発注する予定だ。

 BIM/CIMに関しては、24~25年度に法定点検施設を対象とした試行案件の検討と抽出も行う予定でいる。