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顧客目線で信頼される工務店目指す 宮崎県建築業協会

      

▲写真は挨拶する佐田会長、総会、表彰式の模様

 一般社団法人宮崎県建築業協会(佐田正博会長)は5月19日、宮崎市内で2023年度「第47回通常総会」を開催した。総会では、22年度事業及び決算報告、23年度事業計画及び収支予算を原案どおり承認。総会の第二部では、行政や関係団体から来賓を招き、功績・技能功労・勤続功労に係る表彰式を行った。

 総会で挨拶に立った佐田会長は、住宅市場の縮小や資材価格の高騰、後継者不足等の課題が深刻化しており、変化への対応力を高める必要があると指摘。デジタル化や省人化など技術革新を積極的に取り入れるとともに、常に顧客目線で考えることを忘れず、信頼される工務店を目指して、会員同士で助け合う重要性を説いた。

 23年度の事業計画では、耐久・耐震・省エネ性に優れた長期優良住宅やゼロ・エネルギー住宅の建築促進、多様化する住宅事情に対応するための講習会の開催、施主と会員の双方にメリットがある火災保険の加入促進やハザード情報の提供に取り組むとともに、災害時に於ける仮設住宅建設や住宅復旧に対応できる体制を整備する。

 社会奉仕を目的とした木工教室や地域の清掃活動を各地で実施するほか、ものづくりの楽しさや喜びを体感する中高生を対象とした木工大会の開催を計画。人材の確保・定着に向けて、魅力ある職場づくりのための雇用環境の整備や新3Kの実現、大工育成事業等を通じた入職促進、現場の安全パトロール等にも取り組む。

■受賞者の努力と功績称える

 総会の第二部では2023年度の表彰式を行い、功績表彰を受賞した▽杉田重達氏▽押領司繁氏▽多田修一郎氏▽松長忠男氏―の4人、技能功労表彰を受賞した▽高橋弘貴氏▽内堀渡氏▽上村淳氏▽河野義辰氏―の4人、勤続功労表彰を受賞した▽黒岩靖代氏▽日髙秀一氏▽松田好治氏―の3人に表彰状と記念品を贈った。

 佐田会長は、長年にわたる努力と功績に敬意を示すとともに、受賞者は「私たちの誇り」と述べ、更なる活躍に期待を寄せた。来賓を代表して、宮崎県県土整備部建築住宅課の松田真二課長と、協会顧問の横田照男氏が祝辞を述べた。

 受賞者を代表して謝辞を述べた多田修一郎氏(工建設株式会社)は、「努力を認めていただき、晴れがましい栄誉をいただいことは、先輩はじめ協会役員、会員の皆様のご指導、励ましのたまものと心から感謝申し上げる。今後も業界及び協会の発展と技術・技能の向上を目指し、決意を新たに全力で取り組んでいく」と述べた。

■応急修理に協力、宮崎県と協定締結

 一般社団法人宮崎県建築業協会は今年3月、宮崎県と「災害時における被災住宅の応急修理に関する協定書」を交わした。一定規模以上等の災害が発生した際に、被災地で応急的な救助を実施する災害救助法の規定に基づき、各地に所在する協会員が準半壊以上と判定された被災住宅の応急修理に協力する。

 災害救助法では、市町村の人口に応じた一定数以上の住家滅失がある場合等に、避難所や応急仮設住宅の設置、食品・飲料水・被服・寝具等の給与、医療・助産、被災者の救出、死体の捜索及び処理、住宅の応急修理、住居や周辺の障害物の除去等を実施するもの。原則として、救助は都道府県知事が行い、市町村長が補助する。

 住宅の応急修理に関しては、都道府県が提示する事業者リストを参考に、市町村が事業者の指定等を行う。市町村は、被災者に対する住宅相談窓口で業者の斡旋と合わせて応急修理制度の概要を説明し、希望する被災者は要件審査を受ける。その後、被災者が指定業者に希望修理箇所を伝え、修理見積書の作成依頼を行う。

 2022年9月の台風第14号では、多くの住宅や事業所等が甚大な被害を受けた延岡市に災害救助法が適用されたが、応急修理を請け負う工務店が不足するといった事態が生じた。また、被災から3カ月後の12月に適用が決まった都城市では、申請に必要な被災建物の写真を撮影していない、保存していないケースがあった。

 こうした経緯を踏まえ、今回の協定では、宮崎県建築業協会が応急修理を行うことができる事業者の名簿を県に提供する。応急修理を実施する場合、県は被災後速やかに応急修理の実施要領や必要事項を協会に連絡し、協力を要請。協会は、応急修理業者の確保に努め、被災後も対応可能な業者の情報提供や技術支援等を行う。