延岡市は、経年劣化が進む西階公園野球場の再整備に関して、今年度第3四半期に条件付一般競争で建設工事を発注する予定でいる。老朽化したスタンドの建て替えやグラウンド及び防球ネットの整備、ナイター照明更新、バックスクリーンの拡幅、スコアボードの更新等を行うもの。設計費や備品購入費等を除く概算建設費は約47億円を見込む。
竣工から58年が経過する西階野球場(西階町1丁目)は、施設や設備の老朽化が進み、2027年に本県で開催予定の国民スポーツ大会で競技会場として使用されることから、再整備の必要性が指摘されていた。また、野球場を含む西階公園は、災害時の後方支援拠点に位置付けられており、市民の生命を守る役割も果たす必要がある。
こうしたことから、市は21年度に施設の基本構想を策定。22年度に、施設のコンセプトや平面図、外観イメージ等の基本設計をまとめ、23年度には再整備に係る詳細設計を行った。基本設計と詳細設計はいずれも、サンコーコンサルタントが担当した。
基本設計時の全体整備計画では、老朽化が顕著で新たな設備や機能を追加する必要がある建築スタンドの建て替え、公認野球場規格に準拠したグラウンド整備、防球ネットの再整備、ブロック積擁壁の改修、サイズ不足のバックスクリーンの拡幅、電光式スコアボードへの更新、ナイター照明の更新(4基から6基に増設)を行うとした。
建築スタンド(延床面積4252㎡)に関しては、1階にエントランスや大会運営に必要な関係諸室、ロッカー・シャワー室・トレーニング室といった選手関係諸室、ウォーミングアップ場を併設したブルペン等を配置。2階は観客席をメインにトイレを配置し、3階は全て観客席とする。雨よけ・日よけ機能として、折半型の大屋根も整備する。
グラウンドの再整備(面積1万4090㎡、両翼100m、中堅122m)に関しては、公認野球場規格に準拠するとともに、排水不良の改善や衝突保護ラバー取替等の安全対策を更新する。防球ネットの再整備では、ネット高さの伸長や設置区間の延長を実施。防球ネットだけでは防ぎきれない周辺市道や駐車場への飛球対策も検討する。
このほか、外野側のブロック積擁壁の改修や、サイズが不足しているバックスクリーンの拡幅も実施。手動式のスコアボードは電光式に更新する。ナイター照明設備は、現在の4基から6基に増設し、照度不足の解消やLED化による省エネ化を図る。
市は、施設再整備に係る総事業費を52億5427万円と試算。23年度当初予算案に、既存施設の解体工事費等として2億7187万円を盛り込んだほか、支出期間を24~25年度、限度額を48億6711万円とする債務負担行為を設定している。
市の発注見通しによると、第1四半期に「西階野球場解体工事」、第3四半期に「西階野球場建築主体工事」をそれぞれ発注する予定でいる。入札方式はいずれも条件付一般競争入札で、建設工期は解体が180日間、建築主体が約820日間。建築主体では、現時点で全ての工事を一括発注する方針でいるが、状況によっては一部の工事を分離発注することも視野に入れる。