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効率的で安全な計測を実現 デジタル査定技術講習

      

▲写真は講習会の模様

 国土交通省九州地方整備局は2月15日、宮崎市内で「デジタル査定技術」に関する講習会を開いた。宮崎県及び鹿児島県の測量設計業協会会員を対象に、デジタル技術を活用した災害査定資料の作成方法等を説明したほか、360度カメラやスマートフォン等に搭載されているLiDAR機能を用いた点群測量の演習も行った。

 全国測量設計業協会連合会の要請に基づき、九州内では福岡・長崎・宮崎・熊本の4ブロックで開催したもの(熊本は2月22日開催予定)。挨拶で九州地方整備局企画部インフラDX推進室の岩﨑征弘室長は、災害時だけでなく平時でも効率的かつ簡単、安全に業務を遂行できる技術について理解を深めてもらいたいと呼び掛けた。

 講習では、九州地方整備局に於けるDXや災害査定のデジタル化に関する取り組みを紹介。全方位を一枚の写真で撮影できる市販の360度カメラをスマートフォンに無線で接続し、クラウドを用いて撮影した画像を関係者間で共有する仕組みや、自撮り棒を活用して、立ち入ることができない危険箇所を撮影した事例を説明した。

 また、ドローンを空中で静止させて全方位を撮影し、撮影した高画質の静止画像を合成してVRを作成するスカイバーチャルツアー(SVT)も紹介。全国で初めて作成した山国川のSVTを例に、写真や動画、3Dモデル(点群データ)等の様々な情報を地図と連動させることで、簡易なGISとしても活用できることを説明した。

 一方で、スマートフォン等に搭載されているレーザー計測装置(LiDARセンサー)を活用し、クラックの計測を行った事例も紹介。アルミスタッフや巻き尺といった従来手法と比べて生産性が大幅に向上し、クラウドで点群データの処理・共有を行うことで、距離や面積の計測、断面図の作成等が可能であることを説明した。

 講習会ではこのほか、こうしたデジタル技術を活用した災害査定資料の作成方法例も紹介。屋外で行われた演習では、360度カメラやLiDAR搭載のスマートフォン・タブレットの操作方法、撮影時のポイントを学んだ。また、実際に撮影した画像を使用して、バーチャルツアーを作成するまでの一連の流れなども学んだ。

 九州地方整備局の担当者は、DXとはデジタル技術自体ではなく、「デジタル技術を用いた働き方の改革」が本来の目的であることを強調。「いかに高度な技術であっても、働く者の負担が増えるのであれば、DXとしては価値がない」として、今後も、簡易で安全、かつ安価なインフラDXの開発等に取り組んでいく考えを示した。