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南郷支所跡地複合施設、住宅A棟工事を先行 日南市

 日南市は、旧南郷町総合支所の跡地に建設する複合施設の計画概要をまとめ、12月定例市議会の全員協議会で報告した。施設の規模は、住宅A棟がRC造6階建延べ2435㎡、住宅B棟が同7階建延べ2748㎡、庁舎棟がRC造2階建延べ920㎡。2024年度に住宅A棟の建設工事に着手し、その後、庁舎棟、住宅B棟に順次着工する。

 2016年発生の熊本地震を受けて、市は耐震性能に課題を抱えていた南郷町総合支所(1959年竣工)の機能を南郷ハートフルセンターに移転。一方で、交通上の利便性が高く、地域活性化への寄与が期待されることから、跡地の利活用が課題となっていた。

 こうした状況を踏まえ、市民の利便性の向上や周辺地域の活性化、防災力の向上等を目的に、跡地に行政機能や居住機能を有し、市民サービスの拠点となる複合施設を整備する計画を進めている。居住機能に関しては、建設から多年が経過し、建物や設備の老朽化が課題となっている栄松A団地(南郷町中村乙)の移転建替と位置付ける。

 施設の整備にあたり、今年5月には条件付一般競争で「(仮称)南郷複合施設中央町団地整備事業調査設計委託」及び「(仮称)南郷複合施設庁舎棟建設調査設計委託」の入札を執行。中央町団地は益田設計事務所が6380万1000円、庁舎棟はごとう計画・設計が2485万円でそれぞれ落札した。期間は2024年2月28日まで。

 計画によると、敷地中央に配置する住宅A棟の規模はRC造6階建延べ2435.40㎡で、1階には集会場を配置する。戸数は、1DK11戸、2LDK15戸、3DK2戸の合計28戸。駐車台数は28台。庁舎棟と渡り廊下でつなぐことで、集会場の会議室としての共有利用や高齢者支援等が一体的に行える計画とする。

 また、敷地北側に配置する住宅B棟の規模はRC造7階建延べ2748.89㎡で、1階は駐車場とする。戸数は、1DK12戸、2LDK12戸、3DK6戸の合計30戸。駐車台数は30台。A棟・B棟ともに、屋上はそれぞれ約200人の避難が可能な一時避難場とし、共用部分に電気を供給する太陽光パネルを設置する。

 一方、有事の際の連携を考慮し、敷地南側の消防署南郷出張所に隣接して整備する庁舎棟の規模はRC造2階建延べ920・55㎡。1階には行政機能、2階には公共性の高い南郷町商工会や南郷町土地改良区、南地区地域包括支援センターの3団体が入居する予定でいる。駐車場は30台(うち思いやり駐車場3台)を確保する。

 現時点の概算事業費は、庁舎棟が6億9075万円、住宅棟が27億3850万円で、総額は34億2925万円を見込む。内訳は、庁舎棟の調査・設計費が4075万円、庁舎棟建設費が6億5000万円、住宅棟の調査・設計費が8772万円、住宅A棟建設費が12億1824万円、住宅B棟建設費が14億3254万円。

 事業スケジュール案によると、今年度内に施設整備に係る地質調査及び実施設計、旧庁舎の解体工事を完了させる見通し。24年7月に住宅A建設工事に着手し、25年12月に工事を完了させる。これと並行して、25年3月~26年2月に庁舎棟建設工事を実施。住宅B棟建設工事は、26年7月~27年12月を予定している。