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国富工場に2892億円の設備投資 ローム

 半導体メーカーのローム株式会社(松本功代表取締役社長)は、ソーラーフロンティア株式会社から取得し、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体の主力生産拠点として活用するとしている旧国富工場に2892億円の設備投資を行うことを明らかにした。

 脱炭素社会やカーボンニュートラルの実現に向けて、効率的に電力を供給・制御するパワー半導体の需要が増加し、市場の更なる拡大が見込まれる中、製造子会社であるラピスセミコンダクタ株式会社の宮崎第二工場として整備・運営を行う。

 取得資産は、土地が約40万㎡、建物が延べ約23万㎡。既設の生産棟(約11.5万㎡)などを活用して、パワー半導体の生産を行う方針。2024年中の稼働を目指している。一部敷地と建物は、ソーラーフロンティアに貸与して継続利用する。

 同社はこのほか、東芝デバイス&ストレージ株式会社と共同で進めるパワー半導体の供給確保計画が経済産業省に認定されたと発表した。ロームがSiCパワー半導体、東芝デバイス&ストレージがSi(シリコン)パワー半導体への投資を重点的に行うことで、効率的に供給力を拡大し、それを相互に活用する、製造に関する連携を行う。

 事業総額は3883億円で、ラピスセミコンダクタの宮崎第二工場に2892億円、東芝デバイス&ストレージの加茂東芝エレクトロニクス(石川県能美市)に991億円を投資する。事業総額の3分の1(最大1294億円)を国が助成する。

 こうした拠点整備に向けて、宮崎県の河野俊嗣知事、国富町の中別府尚文町長、ラピスセミコンダクタの和久野一雅代表取締役社長は、12月21日に宮崎県庁で立地調印を行う。