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住吉道路の中心杭打ち式を開催 路線整備に本格着手

      

▲写真は挨拶する河野知事、式典の模様

 国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所と宮崎県、宮崎市は12月9日、宮崎市内で「国道10号住吉道路」の中心杭打ち式を開催した。本県選出の国会議員や宮崎県の河野俊嗣知事、宮崎市の清山知憲市長、関係団体及び沿線地域の代表ら約100人が出席し、事業の本格着手を祝うとともに、路線の早期開通へ気勢を上げた。

 宮崎市北部に位置する国道10号住吉道路は、佐土原バイパスと宮崎北バイパスに挟まれた2車線区間。現道からの交通転換による交通渋滞の緩和や事故危険区間の回避、緊急輸送道路や緊急交通路としての機能確保、医療施設や産業拠点への速達性・走行性の確保などを目的として、現道の西側に4車線のバイパスを整備する。

 計画延長は、佐土原町下那珂を起点、新名爪を終点とする6.4㎞。設計速度は80㎞/時で、計画交通量は1万9200~2万9200台/日を見込む。盛土・切土の土工区間が大半を占め、100m以上の鋼橋2箇所(350m、537m)、中小橋10箇所(PC橋7箇所、鋼橋3箇所)の整備も計画する。全体事業費は約490億円。

 9日に行われた式典で、九州地方整備局の森戸義貴局長は、災害時には人流や物流を確保するための強靱な道路ネットワークを形成し、平時には慢性的な交通渋滞の解消や安全性の向上、救急医療活動の円滑化を図り、地域産業の活性化に寄与する住吉道路の重要性を強調。「一日も早い開通に向けて、事業推進に全力で取り組んでいく」と述べた。

 宮崎県の河野知事は、慢性的な渋滞の中で通学している地元学生の思いや交通事故のリスク等を鑑み、「将来世代のために、今を生きる私達がより良いインフラを整備して、伝えなければならない」として、一日も早い完成、快適で安全な住吉地域の形成、県全体の発展に繋がる道路の整備に力を合わせて頑張っていこうと呼び掛けた。

 来賓祝辞では、渡辺創衆議院議員、竹井俊輔衆議院議員、松下新平参議院議員、宮崎県議会の濵砂守議長(代読=日高博之副議長)が挨拶。当該道路の重要性を強調し、それぞれの立場から、事業の推進に必要な財源の確保等に尽力していく考えを示した。

 地元中高生の意見発表では、宮崎日本大学高等学校の男子生徒が、現道で事故に遭いそうになった友人の話しなどを紹介し、地域の発展に人流・物流は欠かせないとして、「道路の完成を強く希望する」と述べた。また、宮崎市立住吉中学校の女子生徒は、「明るい未来が目前まで来ていると思うとわくわくする」と期待を込めた。

 その後、主賓と主催者、地元の子ども達による中心杭打ちが行われ、参加者一同は事業の本格着手を喜び、全線の早期開通へ気勢を上げた。謝辞を述べた宮崎市の清山市長は、「住吉地域の人口は増加しており、ポテンシャルの高い地域。完成した道路を生かして、周辺の産業や商工振興、まちづくりを進めなければならない」と意を新たにした。

■高鍋~西都の4車線化で着工式

 同日には新富町内で、東九州自動車道「高鍋IC~西都IC間」の4車線化に伴う着工式も行われた。西日本高速道路株式会社の前川秀和代表取締役社長や宮崎県の河野俊嗣知事、関係者ら約200人が出席し、事業の円滑な進捗と早期の完成、工事の安全を祈念して鍬入れを行った。

 事業は、暫定2車線で供用中の両IC間(12・1㎞)のうち、高鍋町上江~新富町新田の4・7㎞を4車線化するもの。現在の2車線を下り車線として使用し、上り車線の2車線を新設する。事業費は約180億円。区間内には新たに、新富スマートインターチェンジ(仮称)も整備する。

 高鍋IC~西都IC間の4車線化は、「高速道路における安全・安心基本計画」の優先整備区間に選定され、渋滞の解消や事故防止の観点から2021年3月に事業化された。4車線化に伴い、高速道路の機能強化や安全性・信頼性等の向上を図る。完成時期は現時点で未定としている。